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わかやま新報女性面 (月一回金曜日)記事を発信-NPO法人「和歌山コミュニティ情報研究所」の女性スタッフが取材・編集を担当


by mako0491

国際ソロプチミスト和歌山




グアテマラの子供支援


和歌山でバザーなど貢献活動に力
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(写真は歴代の会長、右から岩橋征子さん、殿最康子さん、遠藤富美子さん)


 「国際ソロプチミスト和歌山(殿最康子会長=注参照)は、「女性と女児に光と夢を」がモットー。常に先を見通し、ダイナミックに発展を続ける奉仕団体だ。専門職、または管理職にある女性たちが組織し、地域社会や世界のあちこちで奉仕活動を続けている。同会は2001年、認証30周年を記念して「グアテマラ・マヤ女性グループ」支援を決定、継続的なサポートをしている。リーダーたちにグアテマラでの体験、成果などについて、聞いた。
(中村 聖代)

【支援の経緯】
グアテマラ共和国はメキシコの南隣にあり、ピラミッドや神殿等が多く残るマヤ文明の国として知られている。しかし、96年までの36年間、内戦状態が続いたため約1500万人以上の難民が発生し、死者・行方不明者は20万人以上にも上った。
和歌山大学ラテンアメリカ研究会顧問の宮西照夫教授(精神医学)が、長年グアテマラの内戦未亡人のPTSD(心的外傷ストレス障害)調査などを続けている。そのことを知った国際ソロプチミスト和歌山は、自分たちにもできることを、と支援を始めた。
 首都グアテマラシティから車で約4時間半、世界一美しい湖の一つとされるアティトラン湖南岸に位置するサンティアゴ・アティトランに、2002年、「イシムカネ」(マヤ神話の創造主の名に由来)と言う名前の自立支援センターを設立。開所式には4名の会員がグアテマラを訪問した。
翌03年からは育英基金を設立。学校に行けない子供を対象に一人当たり年間3万円・3年間継続支援する里親制度だ。会員だけでなく、広く里親を募集した。貧困のため教育を受けられず、計算ができないので、だまされることも多いという。大人への支援を考えたが、やはり子供たちへの「教育」が大切だということで、会の方向が決まった。
その一方、将来リーダーとなる子を養成し、会のお金で専門学校に通ってもらった。
05年は「ハリケーン スタン」により多大な被害が発生。支援金を送付した。
 
【城北小学校で実習】
06年には認証35周年記念としてグアテマラ女子留学生2名を招請。和歌山市の城北小学校で教育実習(授業参観)を行う。全校生徒に熱烈な歓迎を受け、お互いに意義のある交流となった。
今年の9月にも遠藤富美子さん、湯川裕子さんが現地を訪問した。
現地での印象に残ったことはーー。
「初めて行ったときより、現状はましになっていましたが、狭い土間で4人が濡れた所に座って、夜を明かしているのを見るにつけ、同じ女性として心配になりました」
「きれいな民族衣装は、誇りの証です。マヤ織りに刺繍をほどこし、どの民族かは衣装を見れば分かります。汚れたら、湖の中に入ってちゃちゃっと洗って乾かすだけなのです」
 「スペイン語が共通語なのですが、23ある部族の現地語は全く異なり、通訳の通訳が必要です」
このように、毎年交流と支援を続け、今年も11月26日和歌山ビッグ愛においてチャリティバザーが開かれる。
殿最康子さん、岩橋征子さんはこう語る。
「会場には協賛店コーナー、リユースコーナーを始め、会員が集めた日用品や食料品、作業所からの手作り木工品が並びます」
「グアテマラの民芸品コーナーは現地女性の製作品で、グアテマラの人々の生活の糧です」
「今年の収益金はグアテマラの子どもたちの教育と、加太の森林公園再生のための植樹に役立てます」

【未来を見つめて】
「国際支援のための資金」が、どこに渡ってどのように運用されるのか、その実態を把握するのは極めて困難だ。継続的に行うのも難しい。
今回取材した国際ソロプチミスト和歌山の取組みは、その点をクリア。06年に来日した女子学生のひとりは、今年10月から教師となっている。
学校に行くのは、その気になれば誰でも可能なのに、子供は労働力に欠かせないし、勉強の必要性も感じていない人たちが多勢いる中で、「自分もがんばって学校に行こう」と意識の変わった子供たちが急速に増えているという。
彼らの目はきっとキラキラ輝きだしていることであろう。今の援助も必要だろうが、子供たち未来のために支援を続けているソロプチミスト和歌山の意義は大きい。

(注)国際ソロプチミスト和歌山=ソロプチミストという語は、ラテン語でSORO(姉妹)、OPTIMA(最善)という言葉よりなり、「女性にとって最良のもの」という意味。世界125カ国で約3200クラブがある。国際ソロプチミスト和歌山は1972年5月、日本で19番目のクラブとして認証された。
 連盟プロジェクトとして以下の女性たちに対する経済支援なども行っている。
・地域や世界のために、ボランティア活動に取組む女性
・家族を扶養しつつ教育や職業訓練によって向上を図ろうとする女性
by mako0491 | 2009-02-13 14:09 | アタマ記事