わかやま新報女性面 (隔週金曜日)記事を発信-NPO法人「和歌山コミュニティ情報研究所」の女性スタッフが取材・編集を担当


by mako0491

「訪問診療」と「往診」

5.11視点

訪問診療、より身近な医療に

 先日、神戸で開業医をしている友人から「突然、今まで一度も診察したことのない方から、具合が悪いので往診に来て欲しいという電話があって困った」という話を聞きました。

確かに、救急車を呼ぶほどではないけれど、しんどくて病院に行くことも難しいといったような経験をすることはあります。

私が小学生だった40年以上も前は、日頃から些細な風邪などでお世話になっていた近所の小さな医院の老医師が黒い鞄に診察道具を詰めて家に来てくれました。

そんな記憶のせいか、往診という言葉にはどこか昭和のノスタルジックな響きを感じます。

すっかり医療が高度化、専門分化して、なんでもかんでもとりあえず近所の町医者で診てもらうといったことが少なくなってからあまり聞かなくなった往診という言葉ですが、高齢化による療養の場の広がりから在宅医療が盛んに言われるようになり、再び耳にすることが増えてきています。

在宅医療に併せて、新たに「訪問診療」という言葉も出てきました。「訪問診療」と「往診」、どちらも医師が自宅などを訪問して診察するというのは同じなのですが、実は、この二つは全く違うものなのです。

その場限りの緊急的な「往診」とは異なり、「訪問診療」というのは、医師が定期的に訪問して、診察や治療、療養上の相談に対応することで、寝たきりや障害があって外来通院をするのが難しくても、住み慣れた家など生活の場で療養することを支える仕組みなのです。

実際のところは、どちらも区別せずに馴染みのある往診という言葉にまとめて使われていることが多いのですが、超高齢社会を迎え、在宅医療のニーズの高まりとともに、今後、訪問診療がより身近な医療として私たちの生活に根付いていくことでしょう。 (石井 敦子)


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by mako0491 | 2018-05-20 14:27 | 女の視点