人気ブログランキング | 話題のタグを見る

わかやま新報女性面 (月一回金曜日)記事を発信-NPO法人「和歌山コミュニティ情報研究所」の女性スタッフが取材・編集を担当


by mako0491

dennki

イマドキの伝記は総て漫画 

 

 子供が生まれてから、書店で向かう先は、児童書や知育図書になった私。子供は成長とともに、心配した読み書きもできるようになりました。

 豆知識がたくさん乗っていてシリーズ化している本を欲しがり、発売されるたびに購入していて、今や近所の書店よりそのシリーズは充実した棚が出来上がっています。

同時に、深夜にやっていたタイムスリップした料理人のドラマに影響を受けて、歴史にも興味を持った我が子に、伝記も読ませようと書店へ行って、探しても探しても見つからない、伝記。

 「伝記」私の想像した、表紙はその人のイラストで人物名が横書きでシリーズ化しているあの伝記、ないのです。正確にはあるのですが、私の欲しい「伝記」ではないのです。見間違いかと思って、何度も棚を探すのですが、私が求める伝記はありませんでした。

 イマドキの「伝記」は、偉業を文字で示していないのです。すべて漫画になっていて、吹き出しやイラストだったのです。

 あの日の衝撃は忘れられません。ついに、ついにそうなってしまったのか…予兆はありました。アニメが市民権を得て、世界で高い評価を得ている日本の最先端の輸出品となっていることも。ただ、そんなに我が子の近くに迫っているとは思ってもいませんでした。

 文章の「伝記」を探してあたふたする私は、やっぱり古いんかな…そんなことないはずや。

 御存知なかった方、是非ともイマドキを書店で体感してみてください。わたしたちのあの頃、図書館や書店に並んでいた、あの「伝記」は天然記念物、シーラカンスで置いてありません。

 読書といって漫画で豆知識を、伝記を読みふけっている子供を横目に、やや離して文庫本を読むようになった、不惑になる年まで片手で数えられるようになってしまった私なのでした。

(田中 麻衣子)


by mako0491 | 2017-04-02 14:36 | 女の視点