絵本 『どんぐりずもう』
2016年 09月 08日
『どんぐりずもう』
いしだえつ子作
飯野和好絵
福音館書店こどものとも 2014年 420円
対象年齢:年齢に応じて読むことができます。
(読んでもらうには)3歳から
(自分で読むには)5歳から大人まで
ぐったりするような暑い夏が続いていましたが、ようやく秋の風を感じるようになりましたね。一足早く、秋を満喫しませんか。
<あらすじ>
秋の雑木林に落ち葉やどんぐりがどんどん降ってきました。
キリリとした顔つきのどんぐり達がずらりと並びました。どんぐり達の頭のてっぺんには「とんがりちょんまげ」、腰にはぐるりと「はらまわし」。並んだどんぐり達はどんぐり力士です。
これから、切り株を土俵にした「どんぐりの相撲大会」がはじまります。
まず登場したのは白ひげを伸ばした行司の「すだじい」。「すだじい」はもみじのほうきで土俵を掃き清めます。
観客のどんぐり達が土俵の周りに集まりました。さあ、力士たちが登場です。「かっぽかっぽとお腹を打って、のっしのっしと土俵入り」。
最初の勝負は細長の「こなら」とおしりの小さな「うばめがし」。
「やっ!」と飛び出す「うばめがし」。おでこをぶつけて押しますが、「こなら」は後へ引かず、粘ります。上手投げで勝負あり。
どんぐり達がかちり、こちりとぶつかる度に、秋の林は大賑わい。黄金色に光ります。
日暮れが早くなった秋の空。とっぷり暮れた夕暮れ時に大一番がやってきます。大一番は「まてばしい」と「くぬぎ」の対戦。「みあってみあってはっけよーい、のこった!」
長い足の「まてばしい」は力をみなぎらせ、踏み込みます。対して、重い体の「くぬぎ」はこらえます。が、じりりじりじりと土俵際。
最後は「やいっ、ごろり!」と、丸みを効かせて寄り倒し。行司も吹っ飛ぶ激しい戦いにこちらも力が入ります。
絵本いっぱいに広がる秋の色。秋はもうすぐです。
(浦田 ひろみ)