わかやま新報女性面 (隔週金曜日)記事を発信-NPO法人「和歌山コミュニティ情報研究所」の女性スタッフが取材・編集を担当


by mako0491

動物の生態教材で学習支援

小中学校に映像・標本携えて 松本 朱実さん
写真は天王子動物園で↓
 
 小さい頃から動物が好きで、以前に動物園で飼育技師や学芸員として働きました。長野市の茶臼山動物園で担当したチンパンジーは賢くて力が強く、私の不注意で怪我を負ったこともあります。言葉が通じない動物といかに信頼関係を築くか。動物の立場に立つことを、動物たちから学びました。
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 動物園は生命や動物の多様性を学べる場です。動物たちの生態を、お客さんに正しく知ってほしいと、東京都多摩動物公園では動物のガイドや教材作成などを行いました。その後、大学院で環境教育や理科教育を学び、この観点から動物園教育を研究しています。

 以上の経験を踏まえ、関西を中心に、動物や動物園を教材化した学習支援を行っています。個人の研究機関名である「pocket」は、動物の不思議や魅力、子どもたちの興味や探究心を引き出す、ドラえもんのポケットのような可能性を意味します。

 具体的な活動例として、予定が目白押しなのが、地元の学校への出張授業です。県の環境学習アドバイザーとして岩出市・紀の川市・和歌山市などの小中学校に動物の映像や標本などを携えて出向きます。テーマや内容は学校の要望や子どもたちの経験や興味に合せて。国語の説明文に対応させた「動物の赤ちゃん」「食べ物のつながり」「土壌動物調べ」「動物の体とくらし」などいろいろです。

 動物は子どもたちにとって刺激的で楽しい教材です。中には動物が苦手な子どももいますが、「私たち人間とは違う動物たちの世界を知るのは楽しいこと」と伝えると、皆が目を輝かせます。

 特に子どもたちに反響が大きいのが本物のウンチ標本を使ったお話。今はテレビやインターネットなどからの情報が豊富で、頭だけでわかったつもりの子どもが多いと感じます。
 
 ゾウやシマウマなどのウンチを見せると「えーっ」と驚き、一斉に鼻をつまみます。「自分で確かめなければ匂いはわからない」と促すと興味津々にチャレンジ。草食動物の糞は臭くなく、ネコのウンチは強烈で大騒ぎになります。自分なりに分析して「コアラのウンチはお茶の匂いに似ている」と説明してくれた子どももいました。動物はみんな食べ物(他生物)を食べてウンチをする。食べ物やウンチを通して生物どうしがつながっている。ウンチ標本はそのことを実感させる逸材です。

 動物園への校外学習などに同行して動物のガイドや観察指導も行います。その時に心がけるのは知識を先に与えないこと。一緒に動物を観察しながら、「○○を見て」「何をしているのかな?」「どうしてだろう?」「なぜそう思うの」と常に問いかけて子どもたちと対話します。すると、「フラミンゴの足指が開いたり閉じたりする」「ウサギは前歯で食べている」「ペンギンは魚の頭から食べる」など詳細な事実を自ら発見して教えてくれます。

 大人がいれば、さらに子どもたちの科学の芽は育ちます。大人も子ども一緒に動物や環境について楽しく学び合う機会をこれからも作り、動物たちと共に生きる環境保全に向けて、人と人との素敵なつながりの輪を広げていきたいと思っています。
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by mako0491 | 2016-02-20 22:30 | アタマ記事