わかやま新報女性面 (隔週金曜日)記事を発信-NPO法人「和歌山コミュニティ情報研究所」の女性スタッフが取材・編集を担当


by mako0491

三田ニュータウン便りー密集小住宅で儲け企む

7.10掲載
 ガラスのピラミッド取り壊して
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  兵庫県の「北摂三田ニュータウン」は色んな意味で全国のまちづくりの先駆例である(5月29日掲載)。随時面白いケースの動きを取り上げて、和歌山の参考にしていきたい。        

 「ガラスのピラミッド」の愛称で住民に親しまれ三田ウッディタウンのランドマークでもあった風変りな建物が取り壊され、跡地に密集小住宅の建設が始まろうとしている。

 四角錐の先端を切り取った、中南米に残るマヤ・アズテカ神殿遺跡に似た外形。2面が広大な透明ガラスの屋根壁で、それに囲まれた半地下式のアトリウムは2本の大滝が流れ落ちる亜熱帯の森林と水辺を再現していた。

 量販店マイカルの従業員研修・保養施設で「砂漠の中の人工楽園」を得意にする米国の著名建築家が設計した。ホテル並みの宿泊室、多目的ホール、ジャグジー付きの温水プール、マシンジムなど贅沢な施設は住民にも低料金で開放された。

 同社の経営破綻で裕福な社会福祉法人が買い取り、住民開放も引き継がれた。いずれ養護老人ホームに建て替えるのだろうとうわさしていたら、2年前また転売されて中堅宅建会社のS社が分譲住宅地に再開発を決めた。

 バブルの遺産みたいな施設が消えるのも時の流れかと思ったが、開発プランを示された住民は呆れ怒った。

  108区画の宅地面積は平均150㎡と周辺の既存宅地の6割程度。集会所も児童公園もフットパス(小径)も設けない。桜並木の遊歩道が通る平谷川緑地(風致地区)に接した法面(のりめん=傾斜地)を最高8㍍もの擁壁に替え、幹線道路と結ぶ車の進入路も潰して既存宅地の小街路側に付け替えるという。

 「優れた住環境をかすめ取って、法の許す限り分譲戸数を稼ごうとするコバンザメだ、いやサナダムシ商法だ」と毒づいてはみたが、三田市は住民の同意を条件にしながらも若い子育て世帯が入居してくる宅地開発は最初から歓迎の意向。「人口増加率日本一」(昭和62年から10年間)を誇ったのは昔話で、20年後の総人口は9%減、10万3千人程度という予測もあるからだ。

 住民との会合は何度も重ねられたが、結局、擁壁を後退させて高さも抑え、2か所にフットパスを設けるという妥協案で結着。そして住民側に沢山の反省点を残した。  

 街づくりは自治会の手に余る問題が多い。専門に取り組む組織が欠かせないということで、遅ればせながら「まちづくり住民協議会」がこのほど設立された。筆者もそのサポート会員に名を連ねている。
                                                 (川渕 吉男)
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by mako0491 | 2015-07-09 14:05 | TOPIXS