わかやま新報女性面 (隔週金曜日)記事を発信-NPO法人「和歌山コミュニティ情報研究所」の女性スタッフが取材・編集を担当


by mako0491

成長期のスポーツ障害ご用心

骨格が未成熟、過度な運動
一日の投球回数などに規制

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 成長期のスポーツは体力や運動能力をアップし、肥満防止にもつながる。一方で過度な運動が肩や肘、膝などの障害を招くことも多い。成長期の小学生高学年~高校生は発育がアンバランスで骨格が未成熟。そのためけがや故障を起こしやすい。スポーツ少年・少女をお持ちのお母さん、子どもの頑張りに声援を送るとともに、体調にも注意を払ってくださいね。(高堀琴世)

「骨の成長に追いつけず」

 「外傷・障害で練習を1週間以上休んだ経験があるか」。文部科学省が全国の中学・高校各100校の運動部員にこう聞いたところ、中学生では「外傷で休んだ」が20%、「障害で休んだ」も約13%あった。高校生では外傷が約33%、障害が約25%。中学、高校とも高学年になるほどその割合は高かった。

  成長期の子どもは身長がぐんぐん伸びる半面、筋や腱(けん)が骨の成長スピードになかなか追いつけない。関節の近くには骨端線(こったんせん)という骨を成長させる軟骨部分がある。そこに強い外圧が加わることで、けがや障害を引き起こしやすい。

「投手・捕手に多い野球肩」
 野球少年に目立つのが「野球肩」「野球肘」と呼ばれる故障。ボールを投げる回数が多いピッチャーとキャッチャーに多いのが特徴で、症状が軽ければ1~2週間投げるのをやめ体を休ませると自然に回復する。だが放置してひどくなると、肩関節に変形が生じる恐れもあるから要注意だ。
 
 筑波大学医療系の講師が4月、野球少年の小学生を対象にした肘のMRI(磁気共鳴画像)検査結果を発表した。それによると、62人のうち26人に肘靭帯の緩みや腫れなど野球肘の初期段階の異常が見つかった。その割合はほぼ5人に2人に上る。
 
 野球肩・野球肘を防ぐため、日本少年野球連盟は小学生投手の場合、1日の投球を6イニング以内とし、変化球は禁止している。さらに今年2月の大会規定の改正で「連続する2日間で8イニング以内」を追加し、来年から実施することを決めた。中学生については従来通り1日7イニング以内、2日間では10イニング以内としている。
 
 日本臨床スポーツ医学会によると、野球肘の発生ピークは11~12歳、野球肩は15~16歳。同学会は①発生頻度が高い投手と捕手を各チームがそれぞれ2人以上育成する②1日の全力投球数は小学生50球以内、中学生70球以内、高校生100球以内③シーズンオフを設け野球以外のスポーツを楽しむ機会を与える――などを提言している。

「膝のオスグッド病」
 サッカーやバレー、バスケットの選手に多いのが「オスグッド病」と呼ばれる膝の障害。膝の皿の少し盛り上がった骨に痛みや腫れが生じる。正式名は「オスグッド・シュラッター病」で、この症例を集めて発表した米国の整形外科医オスグッドさんとスイスの外科医シュラッターさんの名前にちなむ。
 
 中学1年のバスケットボール部員(13)の場合、夏合宿の頃から右足の膝が痛むようになった。母親はいわゆる成長痛と思ったが、整形外科を受診したところオスグッド病と分かった。エックス線検査で膝の皿の下の骨の一部が分離し隆起していた。幸い症状が軽かったため、消炎塗り薬を使いながら練習前後十分ストレッチングするうちに回復した。

「シンスプリント」
 ランニングや跳躍、サッカー選手には「シンスプリント」という脛(すね)の故障も目立つ。〝弁慶の泣き所〟といわれる脛全体に鈍痛が走るもので、「脛骨(けいこつ)過労性骨膜炎」や「過労性脛部痛」とも呼ばれる。陸上シーズンや新学期が始まって、急に固い地面でハードな練習を繰り返すうちに発症しやすい。特に新入部員は要注意だ。
 
 成長期には腰も痛めやすい。サッカーや野球、テニス、水泳、バレーなど、腰をひねる動きの多いスポーツの選手に多いのが腰椎分離症や椎間板ヘルニア。成長期のスポーツ選手の1割が腰椎分離症ともいわれる。またサッカーやランニング、跳躍競技の選手がなりやすい足のけがや障害には踵骨(しょうこつ)骨端炎、中足骨疲労骨折などがある。

十分なストレッチを
 スポーツ障害を予防するには運動前後のウォームアップとクールダウンが欠かせない。練習前にはまず肩や膝、足関節などのストレッチに十分時間をかけること。そして軽いランニングなどで体を温めてから本格的な練習に入る。

 日本臨床スポーツ医学会が提言しているように、成長期には野球やサッカーなど1つのスポーツに特化せず、いろいろなスポーツをやってみることも必要だろう。

  指導者の役割も大きい。注意深く体調に目配りし、痛みや違和感などの訴えに耳を傾ける必要がある。場合によっては練習を休ませて整形外科に相談するよう勧めることも大切だろう。
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by mako0491 | 2015-05-14 09:33 | アタマ記事