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わかやま新報女性面 (月一回金曜日)記事を発信-NPO法人「和歌山コミュニティ情報研究所」の女性スタッフが取材・編集を担当


by mako0491

白浜にコミュニティ・カフェ

 3月20日掲載

主婦が独力で立ち上げ

経営軌道に、地域の絆にも

地域創生の1つのカギとも言われる「コミュニティ・ビジネス」。中でも女性が手掛けやすい「コミュニティ・カフェ」が注目されている。「地域の茶の間」として、人や情報の交流、地域デビューの場などを提供しようとするビジネス。コミュニティ・カフェの運営セミナーが人気だ。主婦が白浜で始めたカフェの立ち上げから現在までの経緯を、西川福美さんに寄稿してもらった。白浜にコミュニティ・カフェ_e0171960_10394038.jpg

*「すぐつぶれるわ」
 「いらっしゃいませ~スリッパでどうぞ」――私の朝が始まります。週末3日間だけ、11時~17時までの営業。12月から4ヶ月間冬休み。コーヒーは500円。

 11年前の5月、白浜に開店したカフェに、地元の人達は「そんな、わがままな店、すぐにつぶれるわ。1年も、もたんわ~」と、噂して笑っていたと後で知りました。気がついたら10年が過ぎていました。今では「よう頑張ったな~」って言って、応援してくれてます。

 眼下には太平洋が一望。緑に囲まれたログハウスの店内では、オーガニックのコーヒーの香りが広がっています。カップル、小さなお子様の家族、女性同士、海外の方・・・「また、来ます」皆さんが笑顔で帰られます。儲けたくてしたのではなく、知り合いや友達を作るために始めたカフェでした。

*温泉付きログハウスが夢
 老後は、白浜に天然温泉付きのログハウスの建ててのんびり住む。それが、私達夫婦のささやかな夢でした。そんな私達に11年前、突然の不幸がやってきた。夫が事故で帰らぬ人に・・・毎日毎日、泣いて暮らしました。

 私は、夫との約束を守る為に、白浜に一人来て、物件探しから始めました。知り合いが誰もいません。ログハウスの知識もなく、どうしたらいいのか?

 当時、大阪に住んでいた私は、ログハウス関係の雑誌を買い、建築メーカーを探し、白浜で一番物件を保有している不動産会社に。そこからが私の新しい人生のスタートでした。

 でも、私は週末をここで過ごしても、知り合いがいないから寂しい。カフェをして知り合いを作ろう。カフェをしたい!建築中だったので建設会社や大工さんは慌てました。でも、カフェをした事もない私には、何の知識もないし、一人で喫茶店に入るのも苦手。

 そんな中、カフェオーナーとの出会いで喫茶学校に通いました。当時の校長先生が「カフェや喫茶店をするなら、美味しいコーヒーを提供するのが基本ですよ」

 私は、息子や友達相手に自宅で毎日、コーヒーを点てる練習をしました。当初は、ドリンク七種類だけのメニューでしたが、今では、ランチ研究したり、手作りスイーツやメニューがバラエティーになりました。

*完全引越し、白浜住民に
 週末三日間営業の為に、大阪と白浜を「くろしお特急」で毎週往復していた7年間。沢山の友達が出来て、四年前に白浜に完全に引っ越して、住民になりました。いつの間にか、このカフェでの営業が私の生きがいになりました。

 一人でのんびりする予定が、全国版の旅雑誌の取材や東南アジアに和歌山県が推薦しているカフェとして紹介されたので、のんびりするのは、もうちょっと先になりそうです。

 「有難うございました。また、遊びに来てくださいね」――そう、言いながら、お客様を見送り、夕日が海に沈む前に私のカフェ営業の一日が終わります。

<コミュニティ・ビジネスの特徴>
 活動の主体が従来の企業社会の担い手ではない、地域の主婦や高齢者、早期退職者など。地域社会に貢献する事業を通じて人間関係の絆づくりを重視する。

 ボランティア活動とは異なり、赤字を出さない程度の最低限の利益を生み出し、事業として成立させることを目指す。事業規模も「地域の中で顔の見える関係」が前提となり、「等身大のビジネス」とも言われている。

                                     

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by mako0491 | 2015-03-24 10:53 | アタマ記事