かんぶつの魅力伝える
2014年 01月 30日
2014.1.24掲載
スイーツなど子供に喜ばれ
3時のかんぶつ屋さん提供
昨年、ユネスコは「和食 日本人の伝統的な食文化」を、無形文化遺産に登録することを決議した。日本の食文化が国際的な評価を得たということだが、それよりずっと以前から「日本の伝統的な食文化、かんぶつの素晴らしい魅力に気づいてもらいたい」「子どもたちにおいしいおやつを食べてもらいたい」と、活躍している「3時のかんぶつ屋さん」がある。店主の野田智也さんは和歌山初の「かんぶつマエストロ中級」でもある。和歌山市内の会合で話を聞く機会があったので、詳細を紹介する。
(中村 聖代)
【乾物卸問屋三代目】
海南市の乾物商(以下:かんぶつ)野田商店は、創業者である野田勝己氏がかんぶつ問屋に丁稚奉公をした後、昭和24年に海南市日方の地で食品の卸売業を始めたのがルーツ。
昭和52年「株式会社野田商店」設立。同59年、野田晴久氏が代表取締役社長に就任。平成22年、野田智也さんが、専務取締役に就任した。
智也さんは大学卒業後サラリーマンになったが、父親の病気をきっかけに家業を継ぐことを決意。しかし、昔ながらのかんぶつ卸売業だけでは先行きにも不安が残った。
【原点に還る】
自分が扱うかんぶつとは何なのか?智也さんは徹底的に考えた。
日本の伝統食であり、健康食・長寿食ともいわれ、古来より日本の健康や文化に貢献しているかんぶつー時代の流れと共に食習慣が大きく変わり、消費量は減っているが、その存在価値は変わることなく、長い歴史を受け継ぎ、現在でも食されている。
その良さを、新たな切り口から世の中に広め、「健康と目新しさと日本食文化の伝統」を伝えていこうと決意したのだった。
【3人で智恵絞って】
智也さんは平成23年、かんぶつマエストロ中級(別項参照)の資格を取得した。その知識を持つ自分と、パティシエ(別項)のいとこ=女性、それに一児の母である妻の3人で「3時のかんぶつ屋さん」プロジェクトを立ち上げたのだ。
かんぶつは、保存性や食味の向上を目的として、水分を抜き、乾燥させた食品で、代表的な物に、干ししいたけ・かんぴょう・昆布・するめ・煮干しなどがある。1年中いつでも利用できるうえ、天日乾燥させることで旨みや香りが増す。栄養分が凝縮し、少量で効率良く栄養を摂取できるのだ。
ところが近年、欧米型の食生活が普及し、若年層でも肥満や偏った食生活による生活習慣病が多く見受けられ、かんぶつを知らない子どもすらいる。
智也さんが、小さな子どもを持つ一人の親として、また、かんぶつを取り扱う商売人として、行き着いたところが「かんぶつを使ったおやつ」だった。
子どもたちが大好きな、おやつやスイーツという形にすれば、おいしく、同時に栄養も取れるのではと考えたのだ。
【3つの思い】
この「3時のかんぶつ屋さん」には次のような思いがある。
・日本の伝統食材「かんぶつ」の良さを再認識してもらいたい。
・正しい味覚を子どもたちに伝えて、健康を守りたい。
・子どもからおじいちゃん・おばあちゃんまで、家族みんなに「楽しみ」と「健康」を与えたい。
そう願い、かんぶつを使ったスイーツを日々開発し、店舗での販売をするとともに、かんぶつ普及のための出張授業や講演会を通じて、世代を超えた繋がりをもちたいと考える。
また、もっと消費量が増え、健康促進することを願い、かんぶつの魅力を伝える発信役になりたいと、今日も行動を続ける。
<かんぶつマエストロ資格制度とは>
かんぶつの種類は干し椎茸やかんぴょう、昆布から小麦粉、豆類、ドライフルーツまで多岐にわたる。
日本かんぶつ協会では、かんぶつについての品目ごとの基礎知識、製造工程、調理方法、栄養価など、幅広い知識を持った人材を「かんぶつマエストロ」と名付け、かんぶつの素晴らしさを広めるスペシャリストとして養成し、認定する。
<パティシエとは>
フランス語で、ケーキ職人や菓子職人のこと。日本でも、ケーキ、パイ、チョコレートなど、さまざまな洋菓子を専門に作る洋菓子職人のことをパティシエと呼び、近年女性の進出が目立っている。
どんなときでも同じ品質のものを作れるだけの技量が必要。新しい店や菓子を研究する好奇心、オリジナルの洋菓子を編み出す創造力。食品全般の知識や食文化に対する造詣も求められる。
スイーツなど子供に喜ばれ
3時のかんぶつ屋さん提供
昨年、ユネスコは「和食 日本人の伝統的な食文化」を、無形文化遺産に登録することを決議した。日本の食文化が国際的な評価を得たということだが、それよりずっと以前から「日本の伝統的な食文化、かんぶつの素晴らしい魅力に気づいてもらいたい」「子どもたちにおいしいおやつを食べてもらいたい」と、活躍している「3時のかんぶつ屋さん」がある。店主の野田智也さんは和歌山初の「かんぶつマエストロ中級」でもある。和歌山市内の会合で話を聞く機会があったので、詳細を紹介する。
(中村 聖代)
【乾物卸問屋三代目】
海南市の乾物商(以下:かんぶつ)野田商店は、創業者である野田勝己氏がかんぶつ問屋に丁稚奉公をした後、昭和24年に海南市日方の地で食品の卸売業を始めたのがルーツ。
昭和52年「株式会社野田商店」設立。同59年、野田晴久氏が代表取締役社長に就任。平成22年、野田智也さんが、専務取締役に就任した。
智也さんは大学卒業後サラリーマンになったが、父親の病気をきっかけに家業を継ぐことを決意。しかし、昔ながらのかんぶつ卸売業だけでは先行きにも不安が残った。
【原点に還る】
自分が扱うかんぶつとは何なのか?智也さんは徹底的に考えた。
日本の伝統食であり、健康食・長寿食ともいわれ、古来より日本の健康や文化に貢献しているかんぶつー時代の流れと共に食習慣が大きく変わり、消費量は減っているが、その存在価値は変わることなく、長い歴史を受け継ぎ、現在でも食されている。
その良さを、新たな切り口から世の中に広め、「健康と目新しさと日本食文化の伝統」を伝えていこうと決意したのだった。
【3人で智恵絞って】
智也さんは平成23年、かんぶつマエストロ中級(別項参照)の資格を取得した。その知識を持つ自分と、パティシエ(別項)のいとこ=女性、それに一児の母である妻の3人で「3時のかんぶつ屋さん」プロジェクトを立ち上げたのだ。
かんぶつは、保存性や食味の向上を目的として、水分を抜き、乾燥させた食品で、代表的な物に、干ししいたけ・かんぴょう・昆布・するめ・煮干しなどがある。1年中いつでも利用できるうえ、天日乾燥させることで旨みや香りが増す。栄養分が凝縮し、少量で効率良く栄養を摂取できるのだ。
ところが近年、欧米型の食生活が普及し、若年層でも肥満や偏った食生活による生活習慣病が多く見受けられ、かんぶつを知らない子どもすらいる。
智也さんが、小さな子どもを持つ一人の親として、また、かんぶつを取り扱う商売人として、行き着いたところが「かんぶつを使ったおやつ」だった。
子どもたちが大好きな、おやつやスイーツという形にすれば、おいしく、同時に栄養も取れるのではと考えたのだ。
【3つの思い】
この「3時のかんぶつ屋さん」には次のような思いがある。
・日本の伝統食材「かんぶつ」の良さを再認識してもらいたい。
・正しい味覚を子どもたちに伝えて、健康を守りたい。
・子どもからおじいちゃん・おばあちゃんまで、家族みんなに「楽しみ」と「健康」を与えたい。
そう願い、かんぶつを使ったスイーツを日々開発し、店舗での販売をするとともに、かんぶつ普及のための出張授業や講演会を通じて、世代を超えた繋がりをもちたいと考える。
また、もっと消費量が増え、健康促進することを願い、かんぶつの魅力を伝える発信役になりたいと、今日も行動を続ける。
<かんぶつマエストロ資格制度とは>
かんぶつの種類は干し椎茸やかんぴょう、昆布から小麦粉、豆類、ドライフルーツまで多岐にわたる。
日本かんぶつ協会では、かんぶつについての品目ごとの基礎知識、製造工程、調理方法、栄養価など、幅広い知識を持った人材を「かんぶつマエストロ」と名付け、かんぶつの素晴らしさを広めるスペシャリストとして養成し、認定する。
<パティシエとは>
フランス語で、ケーキ職人や菓子職人のこと。日本でも、ケーキ、パイ、チョコレートなど、さまざまな洋菓子を専門に作る洋菓子職人のことをパティシエと呼び、近年女性の進出が目立っている。
どんなときでも同じ品質のものを作れるだけの技量が必要。新しい店や菓子を研究する好奇心、オリジナルの洋菓子を編み出す創造力。食品全般の知識や食文化に対する造詣も求められる。
by mako0491
| 2014-01-30 12:04
| アタマ記事