じゃんじゃん横丁天空で
2013年 04月 12日
ヒト交差点
即興芸能での触れ合い
縁坐の役者が観客の想い演じる
縁坐とは、日本古来の存在感にもとづく即興芸能を言うそうです。
先日、縁坐舞台の上演が和歌山市のじゃんじゃん横丁「天空」にて行われました。
縁、というからには、この場所天空もひとつの大切な意味があり、もちろん集まったあなたもわたしも大切な、その春近し時、睦月八日の一部になります。
集いし人が輪になり座り、ファシリテイターの橋本久仁彦氏の投げかけにより、一人ひとりがぽつりぽつりと自分自身のこと、今いる世界のこと、話し出します。
飼っている犬のこと、テレビでみたコトバ、友人の癖のこと、あるいはこれからの生きる道のことまで、その日集った輪のなかに放して(話して)いきます。
もともと日本人はイマジネーションがありますから、それぞれの語る世界がそれぞれの頭のなかで映像として広がってゆく。
日本語の「影」ということばには「想う」という意味があるように、放した言の葉をヒトガタ役者が影見の舞台に演じていくモノガタリ。存在感にもとづく、即興のうつろいをうけとめる。
それぞれのモノガタリが違うかたちでわたしたちのこころに戻って、影をおとしてく、不思議な演劇、というよりわたしにとっては夢見のようでした。
その場「天空」の赤いじゅうたんや、人とヒトとの距離、ことばの間あい、空気の冷たさにひろがる世界、をわたしなりに受け止めて、明日は明るいとちょっと思えたのですもの。
なかでも橋本さんが詠んでくれた良寛さんの歌が忘れられません!
「裏をみせ 表をみせて 散るもみじ」
まさに、わたしの体を流れる民族の血。すべてはうつろいゆく、すべては今同時にここにある、どちらが表でも裏でも、どれだけ揺れても構わないというあいまいさを愛する日本の人であり続けたいと思えたのですから。
はい、お仕舞い。ご興味のある方はシアター坐フェンス公式サイトでチェック下さい。
(稲田さゆり )
by mako0491
| 2013-04-12 11:55
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