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わかやま新報女性面 (月一回金曜日)記事を発信-NPO法人「和歌山コミュニティ情報研究所」の女性スタッフが取材・編集を担当


by mako0491

湯煙り私情 鶴の湯温泉



見知らぬ親子と露天堪能


みなべ町・「鶴の湯」



 1カ月前近く、みなべ町にある鶴の湯温泉に=写真。湯煙り私情 鶴の湯温泉_e0171960_11254454.jpg
「梅の花が咲き始めたよ」「吟行にちょうどいいかも」「温泉にも入りたい」――こんな欲張りな要望に答えてくれたのはみなべ町。役場には「梅課」なんていうのもあるくらい、だから生活に密着した梅の産地。
 
 車で南部川を辿る途中、面白い風景に遭遇。河川では、ダイナミックな野焼きがあり、風の方向に逆らうように焔(ほのお)が立ち上がって迫力満点。枯れた葦やススキが末黒野(すぐろの)に変わっていく姿に哀愁を感じる。
 
 鶴の湯の泉質はナトリウム・炭酸水素塩泉で、切り傷、疲労回復にいいそうな。源泉かけ流しで少し温めだから、じっくりと入って、芯から温まるには湯あたりしないでいいだろう。出てくるときは透明だが空気と混合すると茶色。

 こういう温泉は、美人湯と言うのが多いのでここも美人湯かな~なんて思いながら外を見ると、梅の木が開墾された畑に整然と植えられていた。淡雪を置いたように咲く梅を見ながらの入浴、こういうのを至福というのだろう。

 湯の中でまどろんでいると、親子が入ってきた。毎年梅の花の時期になると、この温泉にくるという。「もう、何年もきてるんや」と人なつっこい笑顔で鶴の湯の由来をレクチャーしてくれた。
 
 露天風呂ではその親子と、温泉好き3人が身体の芯まで露天風呂を堪能。見知らぬ人との会話もまた楽しい。宿泊施設もある。

 紀州灘に落ちる太陽と刻々と変わる雲の容(かたち)、空の色を浜で見ながら、「欲張り温泉紀行」が忘れられない思い出のフアイルとなった。
                              (岡本 炎弥子)
by mako0491 | 2013-04-12 11:30 | 温泉巡り