わかやま新報女性面 (隔週金曜日)記事を発信-NPO法人「和歌山コミュニティ情報研究所」の女性スタッフが取材・編集を担当


by mako0491

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by mako0491 | 2012-08-21 13:59 | cまんが

100回目 家族写真

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by mako0491 | 2012-08-21 13:50 | cまんが

ミステリー

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 魍魎の匣
  京極 夏彦著 
 

 講談社ノベルス 1200円 
 1995年

 楠本頼子は柚木加菜子が好きだった。加菜子はクラスの誰よりも聡明で、気高く、美しく、一人だけ違う匂いを発していた。まるでけものの中に一人だけ人が混じっているようだった。

 そんな彼女がクラスの中で唯一自分だけと親しく接してくれることが、たまらなく嬉しかった。そんな二人が親交を深めたある日、湖を見に行こうと出かけた駅のプラットホームで、何者かに突き落とされた柚木加菜子は重傷を負い、美馬坂近代医学研究所に運ばれる。
 
 それと並行するように「武蔵野連続バラバラ殺人事件」と「穢れ封じ御筥様事件」が起こる。一見、なんの繋がりもない事件が最後に繋がり、事件の全貌が明らかになる。

  京極夏彦の著作を最初に見たときの衝撃は今も鮮明に覚えている。おどろおどろしい「百鬼夜行」の絵のカバーが鮮烈で、読んだ中身も鮮烈で、あーこの人は言霊使いだと思った。大長編が好きなわたしも読みこなすのに時間を要した。
 
 主人公の京極堂(中善寺秋彦)は古書店を営む憑き物落とし。捜査をしないで事件を観るアホ探偵榎木津、ゲタ顔の熱血刑事の木場修、欝(うつ)を患う作家関口などレギュラー出演者に限らず、一人ひとりのキャラがもの凄くよく書けている。
 
 各人のセリフも良く、特に京極堂の「この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口君」。これはデビュー作の「姑獲鳥の夏」で吐かれたセリフだが、わたしはこのセリフが大好きです。
 そして先にも触れたが、縦糸と横糸が絡み合うように張られた伏線が、収束に向かいその伏線の解明に齟齬(そご)がなく完結。見事である。
 
 「魍魎の匣(はこ)」と双璧なのが「塗り仏の宴」で、この作品以上に絡み合った展開を描いている。
 頭の硬いわたしは、一読では不明な箇所が多く、「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」「塗り仏の宴」は三度読みました。でもまだ全てが解っていない。
 
 ちなみに「獲鳥の夏」と「魍魎の匣」は映画化されましたが、ヒットはしなかった。「魍魎の匣」は是非とも観たかったのだが、行ける日にはもう終わっていた。DVDになってから観た。感想は、あれだけの膨大な小説を映画化するのは無理だと痛感。原作には勝てない。
     
                                   (阪井 俊夫)
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by mako0491 | 2012-08-21 11:57 | ミステリーの愉しみ

絵本 まほうのおうかん

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『おかあさんのまほうのおうかん』

かたおかけいこ著 松成真理子絵 ひさかたチャイルド
2012年 1365円
http://tinyurl.com/bnomcwl

・対象年齢:年齢に応じた読み方があるようです。
(読んでもらうには)3歳から
(自分で読むには)小学生から大人まで 
     


<あらすじ>
4歳の男の子のしょう君は少し泣き虫です。
転んでは「いたいよー、えーん」。犬を見れば、「こわいよー、えーん」。
嫌いなおかずが食卓に並ぶと、「食べられないよー、えーん」。
泣いてばかりです。

そんなしょう君に5歳のお誕生日がやってきました。
ママは特別なプレゼントを用意していました。魔法の王冠です。ママは自分も子どもの頃は泣き虫だった事を教えてくれました。そして、泣き虫でなくなった秘密も。
「5歳の誕生日の時、魔法の王冠をママのお母さんにもらったの。この王冠は泣いている子どもの周りに集まる泣き虫という虫を追っ払うのよ」。

ママは自分の頭から王冠はずし、しょう君の頭に乗せるしぐさをしました。しょう君は喜んで頭をなでます。でも、何もありません。

ママは言います。
「魔法の王冠だもの。見えないし、触っても分からないわ。ジャンプしても、帽子をかぶっても大丈夫よ」
次の日、しょう君はボタンが留められない、と泣きそうになり、魔法の王冠をなでました。するとーー。

子どもよりも、親の方がしょう君の成長に感動します。こんな素敵な魔法。かけてあげたいし、自分もかけて欲しいです。
                                       (浦田 ひろみ)
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by mako0491 | 2012-08-21 11:36 | 絵本この一冊

にこにこ農園

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親子で自給自足体験 食育プロジェクト好評
 紀伊地区で無農薬栽培と販売をする吉川誠人さんと奥さんの幸子さんの二人は「にこにこ農園」―野菜を食べた人・遊びに来た人が笑顔になるようにと名付けた―を運営している。そんな中、月に1回「親子で自給自足体験! 食育プロジェクト!」と題したイベントを開催し、昨年、和歌山市の「わかやまの底力・市民提案実施事業」の優秀企画に選ばれた。現地を訪れて、第6次産業化(別枠参照)をめざした活動を聞いてみた。
                                                  (中村 聖代)

 【インドで出会った】
 吉川誠人さんは、和歌山市で生まれ、ずっと陸上競技をしていた(紀之川中学在学中、陸上競技の走高跳で194㎝の記録を出した。それは現在も県中学生記録)。福岡大学体育学部に進学し、「何でも見てやろう」と海外を放浪。卒業後も国内外を旅しながら、アルバイトをしたり、農業を学んだりしていた。
  
 一方、幸子さんは、幼い時の農業体験(牧場のファームスティ)が基になって、八ヶ岳中央農業実践大学校研究科を卒業。その後タイの農村でボランティア活動をしていた―海外で定住したいと単純に考えたからだと言う。
 「あまり日本と変わらないな。もっと刺激が欲しい」と、日本に戻ってきて仕事に就いたが、それが自分のやりたいことであるはずもなく、それからアジアの国々を旅している時、インドで誠人さんに出会ったのだ。

 【自給自足の生活】
 幸子さんは愛知県豊田市出身。結婚後暫くは、別々の場所で農法の勉強をしたりした後、自給自足の生活をすべく、熊野市に移り住んだ。
 子供が産まれたこともあって、誠人さんは小学校の講師を2年間勤めたが、和歌山市の実家に戻ることと、土地を見つけたことなどが重なり、今までのような片手間ではなく、「農業を中心とした生活」をしようと二人同時に考え、2005年に農園を開園したのだった。

 【無農薬・合鴨農法】
 最初から農薬は使わないと決めていた。自分が食べるのが目的だったので、農薬は使いたくなかった。うまくいかないで失敗もした。
 「何かが間違っていると、植えたものが、消えてしまうのです」。こ のままやっていけるのだろうか?と不安になったこともあった。もう限界―という状態は超したという。
 「試行錯誤を繰り返し、段々上手になってきました」。「大事なことは自然が教えてくれるのです」。

 農業を通じて自然に興味を持ってもらおうと、いつも野菜を買ってくれる客や知人ら内々で親子体験イベントを開いていたが、好評なので毎月一回開催している。
 畑で採れたえんどう豆でコロッケを作ったり、ヤギ小屋作りや種まき・家畜との触れ合いを体験する。すぐに予約でいっぱいになる。

 【ネットで通信販売】
 4、5年前からインターネットで野菜の販売もしている。口コミが多いが、昨今は「検索」して新しい客も購入する。東京から訪ねてくる客や電話で長話する客もいる。

 「イベントなどは特にボランティアの人たちに助けてもらってやっている状態なので、常時手伝ってくれる方にお給料を払える状態までになればと思っています」。

 【いつも描いている絵】
 「昔から、こんな農場ならいいね、とかこんな暮らしをしたら楽しいねとか言いながら、その時々に絵を描いていました」。
 合鴨のひなを田に放したり、ヤギや豚や鶏を飼ったりといった絵を描いていた幸子さん。少しづつではあるが、実現している。
 
 「今のままのスタイルでは採算が採りづらい。かといって農薬を使うとか何かに特化した農業は、やりたくない」と誠人さん。作りすぎた野菜などは家畜の餌やたい肥に使っている。野生のイノシシなどがたくさんいる。
 ゆくゆくはこうしたものを使って、ここで農家レストランを開き、ひきこもりの人たちはじめ多くのひとが働ける場所にしたいと考えている。

 【今後の展望と課題】
 政府は今年度、45歳未満で地域農業の中心的な担い手になる新規就農者に最長5年間、技能研修に最長2年間、年150万円を給付する制度を創設した。
 都市農業への期待は高く、遊休化している農地を減少させるべく、各自治体も様々な就農支援を始めている。
 和歌山県では「JAトレーニングファーム」事業を今年度開始した。農業をとりまく環境は厳しいが、6次産業化することで光が見えてくるのではないだろうか。

 <第6次産業とは>
 ・農業:第一次産業の「1」、加工:第二次産業の「2」、流通:第三次産業の「3」の数字を使って、1+2+3=6(1×2×3=6)で出来た「第6次産業」という造語。
 ・第4次産業と第5次産業は、ない。

 ・今村奈良臣氏が唱えた「第6次産業化」とは、農業が農産物を生産するだけでなく、それを加工し販売するところまで視野に入れた事業展開をすることにより、農業者が多くの利益に関われる仕組みを作ろうという考え方。例えば、農業のブランド化、消費者への直接販売、レストランの経営など。

 第一次産業に付加価値をつけて高度化を目指すという観点では、1.5次産業化に類似しているが、6次産業は加工、流通を複合化させるという視点がより明確である。各次の産業の連携による農村の活性化や、農業経営体の経営の多角化のキーワードとして提唱される。
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by mako0491 | 2012-08-21 10:53 | アタマ記事

姫温泉弘法湯

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姫温泉「弘法湯」 窓を開けたら太平洋
 
「あっ」あの建物は何!
 その建物は真っ赤に塗られている。本州最南端にある温泉、姫温泉弘法の湯=写真。見逃しそうな看板が立っているのだが、この赤い建物が目印と口コミで伝わればすぐに探せるだろう。

 この建物は、弘法大師を祀る御堂。その隣にあるから『弘法湯』。姫温泉とはこの地区の名前が『姫』というから、なんともわかりやすいネーミング。

 車往来が激しい国道からほんの少し下りたところにある温泉。太平洋の爽やかな風が芭蕉の葉をゆさゆさとゆらし、大きな緑の葉が最南端の言葉どうりの雰囲気を醸し出している。民家かな?というたたずまいの家から「いらっしゃい」。
 「こんにちは」と気軽に知り合いの家を訪れたような気分になれるのは、この場所と共に、管理するご婦人の人柄でもあるのだろう。

 婦人いわく、「ここの調度品はほとんど区の持ち寄りですよ」と。この温泉、区の持ち物なのだ。
浴槽は槇で作られているのも珍しい。檜が多いなかで槇というのは弘法湯らしくていい。

 二人が入ったらもう満員という浴室だが、それはそれで仲間が、家族がワイワイと入るのも面白いだろう。たっぷり注がれた湯船の中で贅沢な思いに浸りながらうれしくなる。
 泉質は単純泉、透き通った湯がカランから静かに出ている。疲労回復、リュウマチなどと書いてある。ドライブの途中でふらりと道草するのもいいだろう。

 窓を開くと紀州大島と太平洋の波の音、良いお湯の一人じめ、この上なく気分がいい。
「ご子息が老母を連れて毎日来てるんですよ。親孝行な息子さんです」と。まるで、中国の24孝の物語ではないか。

 残りの時間は、湯船から見た大島に渡ってみよう。
生憎の曇り空であったが、曇天ゆえに哀愁の鈍色おびた海と、岩礁に打ち付けられる白い波のコントラスト、忘れない風景として脳裏に刻んだ。

                                         (岡本 炎弥子)
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by mako0491 | 2012-08-03 12:15 | 温泉巡り

あかぎつね


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『こんにちはあかぎつね!』
エリックカール著、佐野洋子翻訳 
偕成社 1999年 1470円
http://tinyurl.com/bmljwm2

 対象年齢:年齢に応じた読み方があるようです。
(読んでもらうには)5歳から
(自分で読むには)小学生から大人まで 
     
 「黒色」の反対の色は「白色」ですよね。では「赤色」の反対の色は何色だと思いますか?正解は「緑色」なんだそうです。ものを凝視していると残像が見えることがありますよね。「色」の場合、この反対色(補色)が見えるんです。

 色の不思議を体験している間に、色彩論をかじってしまうという!?驚きの絵本です♪
 きっと、大人の方がはまってしまいますよ。

<あらすじ>
 緑色のお母さん蛙が小さい子ども蛙に言いました。
 「もうすぐ ぼうやの おたんじょうびね。」
 お友達を誘ってパーティーをすることにしました。

 誘いたいお友達は、
 赤色のきつね、紫色のちょうちょ、オレンジ色の猫・・・・・・

 誕生日になりました。
 お友達がやってきました。
 ところが、
 子どもは赤色のきつねと言うけれど、お母さんには緑色に見えます。
 「緑色じゃない」と言うお母さんに子どもの蛙は言います。

 「もっともっとみなきゃ」 すると、あら不思議。

 じっと緑色のきつねをみてから、隣の白いページを見ると、
 私たちの目にも赤色のきつねが現れました。
 どうしてなんでしょう。

               (浦田 ひろみ)
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by mako0491 | 2012-08-02 12:47 | 絵本この一冊

バーゲン必勝法

8.10付け

「本日、戦利品あり」までの道

 今年、夏のセールに出かけましたか?
 私は、いくつか「戦利品」を手にすることができました。

 私の住む、関東地方は、開始時期を例年より遅く設定する百貨店や商業施設が多かった今年、私にとっては好都合。

 え?早くから始まった方がええやん。そう思う方もありますよね。なぜか…試着や品定めの期間が長くなるから、です。定価で買うなんて考えられへん!と思うようになったのは、和歌山にいた時、周りの「和人たち」が、セール情報に詳しかったからです。

 あれから10年。セール前作戦会議、実行、成功と失敗の末、今のスタイルに至っています。かつては、試着なんてしなくても、手に取った洋服は思い描いたように着ることができた、いや入った時代は、あまり試着なんてことを考えもせず、初見でセール品を買うことができました。

 今、試着は必須事項となりました。でも、セール期間中は試着室が長蛇の列。しかもセール当日に試着なんてしようものなら、30分待ちは覚悟しないと。という具合です。30分なんて待ってられへん。そのお店を離れてよそも見てられへんしなー。

 ということで、和人たちに教わったテクニックを発揮。セール期間が始まる前までに、定価の商品で気になるものを試着しておくのです。空いている曜日や時間帯を狙って、品定めし、試着し倒す。準備工程完了!
そしてセール初日、開店間もなく、品定め済みの商品に一目散に駆け寄ります。確保!!

 ごく稀に「こちらはセール対象外」なんてこともあります。これには落ち込みます。この落胆を回避する秘策、実はあります。それは、準備工程で店員さんに、セール対象品か否か情報を入手しておくのです。これは難易度が高く、店員さんによるところが大きいです。

 秘策を用いた場合、セール初日、お店に駆け込むと、他の方の接客している店員さんが「狙ってんの、あるで」というアイコンタクトを送ってくださることも。

 「本日、戦利品あり」までの道のり、いかがでしたでしょうか。年々、準備工程に費やせる時間と体力がなくなってはいま。ボーナスは横ばい、出ているだけ幸せのこのご時勢。有意義にお金を使うには、用意周到に計画的であることが鍵。ここに書いてしまったら、ライバルが増える…くれぐれもご内密にお願いします。

                                                   (田中 麻衣子)
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by mako0491 | 2012-08-02 12:38 | 女の視点
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園芸福祉活動から見た
和歌山のソーシャルキャピタルについて

 「わたぼうしくらぶ」(本部海南市)は、「仲間をつくり、草花を育てて、みんなで幸せになろう」という園芸福祉活動を進める非営利の任意団体。①高齢者と幼稚園児との世代間交流②耕作放棄地の再生へ綿栽培③糸つむぎ・さおり教室の実施などで地域連携に力を入れている。「県NPOサポートセンター」と「和歌山コミュニティ情報研究所」が共催する研究会「紀望塾」での今回のテーマは「わたぼうしくらぶの園芸福祉活動と和歌山のソーシャル・キャピタル(社会関係資本)について」。主宰する森下和紀さんの話を基に、現状と課題などについて考えた。
 (中村 聖代)


 【園芸福祉士の資格】
 森下さんは2010年に、民間企業に勤務しながら同志社大学の「社会人の学び直し講座」でソーシャルイノベーション(社会起業)を学んだ。
 もともと福祉に興味があったが、中でも園芸の力の大きさに気付いた森下さんは、日本園芸福祉普及協会(別枠参照)の考えに共鳴し、初級園芸福祉士の認定を受けた。

 綿の栽培から機織りまで趣味で行う近所の人と出会い、会を立ち上げることを提案した。「人の心の交流を中心とした私たちの活動がわたぼうしのように飛んで行った先で根付くことを願っています」。現在の会員は7名程で、勤務しながらの活動だ。

 【耕作放棄地再生へ】
 耕作放棄地再生のため綿を植え、栽培し、収穫した綿から糸をつむぎ、その糸をさをり織りに使う。手づくりの温かみや楽しさや難しさを参加者に実感してもらうのが目的だ。

  綿の栽培には出来るだけ子どもたちの参加を求め、特に綿(コットンボール)の摘み取りは子どもたちが行う。「綿の栽培から織り物へとその工程に関わる人たちによるコミュニティ形成にもつなげていきたいと考えています」と森下さんは語る。

 耕作放棄地を再生して米や野菜を育てて食する「食育」も重要だが、衣の面においても衣のもとになる綿を育て、コットンボールからさおり織りへと繋げて行く工程は、自然と向き合う環境教育のひとつとして、子どもたちに手づくりの大切さを実感してもらう効果があるという。

 【小学生さをり織体験】
 一昨年から海南市の小学校で糸つむぎ体験を実施。糸車と、さをり織機を持参して、子どもたちに実際のさをり織の体験をしてもらった。

 「手作りでさをり織を仕上げると、子供たちは誰かにあげたいと思います。両親(ことに母親)にすすんでプレゼントするなど、情操教育だなと感じます」と森下さん。

 また、幼稚園児たちに花の苗をプレゼント。それを育成してもらった後、高齢者福祉施設を訪れ、入居者らと一緒になって寄せ植えを行った。

 核家族が6割以上占める園児たち。最初は緊張していたが、話しかけたり、話しかけられたり、手を握るなどのスキンシップができてきて、次第に打ち解けていった。

 「こうやって植えるんやで」――こうした世代間交流は、これまで受動的だった高齢者が、園芸福祉活動によって、能動的なものに変わる契機にもなっている。

 【控えめな参加がカギ】
 園芸福祉活動をわかりやすく紹介した後、森下さんはソーシャル・キャピタルを次のように定義する。
 訳すと「社会関係資本」の意味。つきあいなどの人間関係、地域コミュニティーやボランティア組織などといった「社会的ネットワーク」と、そこから発生する「規範」と「信頼」のこと。上下関係の厳しい垂直的人間関係でなく、平等主義的な、水平的人間関係を意味することが多い。

 地域資源の発掘をし、人々を現場へ誘導することが必要なのは「橋渡し型ソーシャル・キャピタル」である。
「我々の園芸福祉活動では積極的に自分が、自分がと気負うのではなく、声をかけてくれたので参加する、そんな遠慮がちなソーシャル・キャピタルの潜在力に期待しています」

 【今後の課題】
 森下さんは以下の事が課題ではないかという。
 ・「園芸福祉」という言葉自体なじみが少ないので、「わたぼうしくらぶ」の活動を通じて認知度を高めていきたい。
・県内の園芸福祉士の組織作りを行い、発言力を持ち、提言できる社会的ネットワークつくりが求められる。
 ・地域全体に活動を拡張していくシステム作りや、控えめなソーシャル・キャピタルへの声がけが必要である。


<日本園芸福祉普及協会(会長 進士 五十八)>

 植物や園芸・農芸作業を介してもたらされる福祉・健康・教育・環境・コミュニティ形成などへの効果を研究・普及啓発・実践することを目的に、全国から個人・団体・法人を含め300名近い有志が集まり、2001年4月に任意団体としてスタートした。2002年4月にはNPО法人の認可を受けている。
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by mako0491 | 2012-08-02 12:27 | アタマ記事