わかやま新報女性面 (隔週金曜日)記事を発信-NPO法人「和歌山コミュニティ情報研究所」の女性スタッフが取材・編集を担当


by mako0491

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 最近バスに乗ると、これでもかという程、必ず聞く放送がある。「バスが停車するまで、必ず座席に座っていてください。」
 バスは停車する際、大きくガクンと揺れる。この時に何かにつかまっていないと、転倒する可能性があり、危ないのだ。

 しかし、長年の経験からか、停車するまで座席で待つことに慣れない。早くしないと、と焦ってしまうのだ。和歌山では急がなくても、並ぶことも、人にぶつかることも少ない。バスが停車してから移動し、料金を支払う。よく考えれば数分もかかっていないのに、だ。

 さらに、これからくる暑い夏の日は要注意。ベビーカーを押して、横断歩道を歩いていると、罵声を浴びることがある。車でも暑さはこたえ、イライラが増すらしい。「はよ歩け」とは言いにくいからか、「何で暑い日に外出しとるねん」と言葉をかえてくる。母は高齢になってからは、信号の点滅を予測して一回見送るという。

 いつから私たちは人の迷惑をかけないようにと、急ぐようになったのだろうか。「人に迷惑をかけない」というしつけのおかげなのだろうか。それとも、私たちが何かをなくしてしまったからなのだろうか。

 そんな中、ここ数年、おじいさんに助けられることが多い。ベビーカーと娘を抱え、バスから下車しようとすると、さらりとベビーカーを降ろしてくれる。ばたばたしている様を温かく笑顔で見守ってくれる。やってあげている感がないスマートな動作、笑顔、余裕さがかっこいい。憧れる。子ども夫婦の育児の手助けに熱心な「いくじじ」も増えているそうだ。

 持ちつ持たれつ。誰かの助けになっても、他の人にその親切を分けてあげればいいのだ。おじいさんのような寛容さや心の余裕さを備え、周りに安心感を与えられるようになりたいものだ。

                                                 (浦田 ひろみ)
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by mako0491 | 2012-06-27 12:55 | 女の視点

男と女、料理対決の先は

イケメン料理人増えるe0171960_12424791.jpg

A子:「男をつかむなら胃袋をつかめ」って昔から言われているわね。
B子:それって本当なのかしら?

A子:料理ができるというだけで男性からの胸キュンポイントが大幅UPなのは確かね。
B子:朝から晩まで働いて、その後にご飯を作って食べて片付けをする。疲れて帰ってきてからそんな面倒なことしたくないわね。
A子:あなたのような人が増えているからこそポイントが高いのよ。
B子:おふくろの味「肉じゃが」?

A子:今時の男性は『好きなものなら何度でも食べたい』というシンプルな思考よ。
 年齢問わず、カレーやハンバーグ、丼などが人気らしいわ。
B子:『お金も時間もかからないのにおいしい』、『手軽な食材や冷蔵庫にあるものでパパッと作ること』ができれば最高ね。
A子: それはそれとして、TVの「スマスマ」や、速水もこみちの「MOCO’Sキッチン」から火がついたのか、今「イケメン料理人ブーム」よね。
B子:雑誌やテレビでイケメン料理研究家の活躍が目立つわね。彼らのイベントや料理教室は大盛況で、レシピ本などもたくさん売れているわ。
A子:「手の届かないスター」より「身近なアイドル」、実際に触れ合える「イケメン料理人」は、私たち女性のニーズに合致してるわね。イベントには幅広い年齢層の女性が集まるらしいわ。
B子:料理でポイントを挙げようとして家に招いても、「料理のできる男性はモテる」と、ひそかに料理の腕を磨いている彼氏だったら、どうなるのかしら…?

A子:料理を作って食べる・・二人っきりの空間があるということよ。そう言う状況で料理だけで終わるかしら。男性にとって食欲より満たしたいものがあるはずよ。
B子:それに手をつけさせる(手をつける)のがお互いの作戦じゃない?それを男性が味わうと言うことの方が料理より遙かに重要よね。

A子・B子:男性獲得は女性にとっては重大事項、最大の武器を活用して獲得することが大事です!!女性は万にひとつ、失敗したら腕を磨いて次の獲物を狙うことね。
  (中村 聖代)
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by mako0491 | 2012-06-26 12:43 | 恋愛模様

封印再度ー森 博嗣著

 


『封印再度』 
  森 博嗣著  

講談社文庫 820円 
1997年

 岐阜県恵那市の旧家、香山家には代々伝わる家宝があった。その名は、「天地の瓢(こひょう)」と「無我の匣」。

 「無我の匣」には鍵がかけられており、「天地の瓢(こひょう)」には鍵が入っている。
ただし、鍵は「瓢」の口よりも大きく、取り出すことが出来ないのだ。
50年前の香山家の当主は、鍵を「瓢」の中にいれ、息子に残して自殺したという。
果たして、「匣」を開けることが出来るのか?

 興味を持って香山家を訪れた西之園萌絵だが、そこにはさらに不思議な事件が待ち受けていた!
わたしには密室殺人より「天地の瓢(こひょう)」と「無我の匣」の謎がとても強烈で、ずいぶん考えました。この謎は専門的な知識が必要で、実験をされた方がいて、このことを証明されたと知り、ビックリしたのは最近のことです。 

 ネタバレになるのでこれ以上は書けません。が、一級品の本格で、N大助教授 犀川と萌絵の恋が大きく転換するのも本作の魅力の一つで、存分に味わうことが出来る。
森 博嗣は「すべてがFになる」で第一回のメフィスト賞を受賞。このエピソードが面白いのだが書くスペースがないのが歯がゆい。知りたい方はウィキペディアでどうぞ。

 これはS&Mシリーズと云われ、10作品があり「封印再度」はシリーズ5作目となる。わたし的にはこれと「笑わない数学者」が一番好きだ。

 森博嗣の作品のほとんどが密室物で、自身がN大工学部助教授なので、理系のミステリーと呼ばれる。S&Mシリーズの他に瀬在丸紅子が探偵として活躍するVシリーズが10作品ある。その他のシリーズもこのS&Mシリーズを基幹として派生してリンクをしている。全てを読むことにより森ワールドを満喫できる。瀬在丸紅子の物語は20年ほど前の物語だが、犀川と萌絵には瀬在丸紅子の存在は大きく、深く関わってくる。そのためVシリーズは重要なシリーズなのだ。
 
 女性探偵は日本では少ないと思っているが(海外は知らない)わたしの好きな女性探偵1位はフランス人形のような瀬在丸紅子。2位は可愛いお嬢様西之園萌絵。3位はクールな美人の二階堂蘭子だ。
 
森博嗣は考えている長編を書き終えたら引退をすると明言した。今は新作が出ない。もうミステリーを書いてくれないのか?すこぶる残念だ!
     (阪井 俊夫)
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by mako0491 | 2012-06-26 12:12 | ミステリーの愉しみ


網膜色素変性症

和歌山支部 事務局長

草場 桂子 さん


定期的に最新医療など紹介

JRPS県支部、多彩な活動



( 前 文 )
6月14日付の全国紙で、理化学研究所と住友化学は、様々な種類の細胞に変化できる万能細胞のひとつであるES細胞(胚性幹細胞)から、網膜を作り出すことに世界で初めて成功したと報じられた。「網膜色素変性症」患者に移植すれば、失明後も光を取り戻せる可能性が出てきたという。今回は、日本網膜色素変性症協会(JRPS)和歌山支部の事務局長、草場桂子さんに会って話を聞いた。


【遺伝性の病気】
 「網膜色素変性症」とは、目の奥にある網膜の視細胞が退行変性していく遺伝性・進行性の病気で、略して「色変(しきへん)」とも呼ばれる。

 進行度合や症状には大きな個人差があるが、多くは夜盲(=夜に限らず薄暗い場所で見えづらくなる症状)にはじまり、視野狭窄(=見える範囲が周辺部分から中心に向かい狭くなる)、羞明(=普通の光が眩しく、眼が痛い、涙が出るなどの症状が出る)や視力低下などがゆっくりと進行する。 

 中心部の視野は比較的長期間保たれることが多いが、失明に至ることもある(成人中途視覚障害原因の第3位)。盲学校ではこの病気の生徒が一番多い。3~4千人に一人の頻度で起こるとされており、日本では約5万人、世界では150万人以上の患者がいると言われている。

 e0171960_11463926.gif様々な治療法が研究されていて、点眼での網膜神経保護、遺伝子治療、網膜幹細胞移植、人工網膜などの研究が全世界で行われているものの、現時点では根本的な治療法がまだ見つかっていないため、1996年に厚生省から難病指定を受けた。

 【支援学級で活躍】
 和歌山市に生まれた草場さんは、短大卒業後、泉南郡の小学校で支援学級の教師をしていた。小さい時から夜が苦手であったが、30代後半になるまでこの病気を知らなかった。 治療の方法がないこと・いずれは見えなくなってしまう、と説明を受け「これから先どうなるのだろう」と愕然となった。
 
 この病気になった人はたいてい「失明宣告」を受けた気持ちになり、一人で悶々と日々を過ごし、ひきこもりがちになってしまう。また、遺伝性の病気であるため、結婚・出産を躊躇したり、既に子供がいる場合暗澹たる思いにとらわれる。筆者も同じ病気なので、よく理解できる。

 【和歌山支部の仕事】
 JRPSは、治療法の確立を目指す全国組織として、患者、支援者、学術研究者が三位一体となった組織である。会報やテキストの発行、医療相談、講演会の開催などを行っている。
和歌山支部は平成15年6月に発足した。支部長は山本浩さん(山本さん自身も幼少時に罹患)。草場さんは、事務局長として活躍、「女子部」設立を考えている。

 活動内容は、年に一度ビッグ愛での人権フェスタに出展、ふれあいセンターでの福祉機器展示や年金相談、メイクアップ教室などを開催しているほか、医師による最新の治療情報の講演や盲導犬体験歩行会など様々である。

 【ロービジョンケア】
 色変始め、緑内障などの目の疾患で視覚障害が起こることがあるが、眼を全く使えなくなるとは限らない。むしろ視機能(物を見るための働き。視力や視野、色覚)が少し保持されている場合が多い。その保持されている視機能を最大限に活用し、患者が自立して、できるだけ快適な生活を送れるよう支援する眼科医療や福祉のことを「ロービジョンケア」という。 

 視覚障害が進むと、外出を控えたり、それまで続けていた仕事や趣味をあきらめたりと、いろいろな面で消極的になりがちである。歩行訓練をすれば一人で外出できるし、ロービジョングッズを活用すれば続けられることもたくさんある。

 問題を前向きに解決していくときに必要なのが情報である。
「その情報収集の手段の一つとして、気軽に和歌山支部を訪ねて欲しい」と、草場さんは言う。
最新情報をキャッチできるようにしておくと、なにかと心強いものである。先の理化学研究所の発表は色変患者にとって文字通り光明を与えるものだといえる。
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by mako0491 | 2012-06-26 11:47 | アタマ記事

北欧4か国駆け足ルポ

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5月25日付けあたま

北欧の国を訪れて
写真3つ
割り付け、見出しはメールで

( 前 文 )

アパレルの「H&М」・家具の「IKEA」はスェーデン、ムーミンはフィンランド、バイキングのノルウェー、デンマークは人魚姫――その程度の知識しか持ち合わせない北欧4か国。スェーデンモデル―胎児から墓場まで―といった高福祉・高負担国家の国々を駆け足で訪れ、その垣間見た様子をスケッチしてみた。
  (中村 聖代)



【バイキングが祖先】
 自然の彫刻、氷河が岩を削ってできたフィヨルドは、スカンジナビア半島のノルウェー側にあたる北・西部に多く見られる。我々が最初に訪れたところだ。
 ノルウェー人はバイキング(海賊)の血が流れていることにかなりの誇りとこだわりがあるようだ。「バイキングは風邪なんてひかない」「バイキングはこんな痛みなんて感じない」。自分を励ます時に使っているらしい。
 ビッフエ形式―食べ放題の食事形態を我々日本人は「バイキング」と呼んでいるが、やはり起源はノルウェーで、たくさんの人を招く際の最も一般的なもてなし料理だという。
【国民のレジャー】
 ここの国の乗用車のほとんどは、後ろにひっぱり棒が付いている。何を引っ張るのかと言えば、キャンピングカーやボートだ。ボートの自己所有率はかなり高く、「一家に一台」といっても過言ではない。金額も車とそう変わらないとか。また、別荘―というよりもうひとつの家―を持つのが一般人の実現可能な夢であるという。
【シニア女性との会話】
 オスロからクルーズで1泊しつつデンマークに行く。といっても半日、コペンハーゲンに寄っただけだが、船内で出会った2人のデンマーク人元女性教師が「村上春樹」のファンだという。「ノルウエーの森」は海外でも絶大な人気を誇り、他の多くの作品も翻訳されているが、日本のことをほとんど全く知らない人たちが「ハルキ」を知っているとは驚きだ。
【かもめのヘルシンキ】
 女流監督の日本映画「かもめ食堂」で一躍注目を浴びたヘルシンキ―「マリメッコ」や「イッタラ」の国だ。残念ながら実在する食堂「カフェ スオミ」には行けなかったが、ロケ地の一部、港に面した「マーケット広場」を訪れた。かもめがたくさん飛び交い、現地の人たちがテントの内外で食事や買い物を楽しんでいた。
【女性で熱気】
H&М は、スウェーデンのアパレルメーカー。低価格かつファッション性の高い服で世界的に人気を集め、最近東京や大阪にも上陸し、話題になった。
「ユニクロ」や「GAP」と比較されることが多いが、カジュアルな服だけでなく、ワンピースやドレス、ジャケットやスーツなどフォーマル服が充実しており、有名デザイナーによるラインナップや、マドンナ、カイリー・ミノーグとのコラボレーションによる商品も販売している。
さすがストックホルムでは、あちこちにH&Мの店舗が見られ、買い物客で溢れていた。どこの女子も買い物には目がなく、同じ熱を感じた。
【クオータ制】
クオータ制(割り当て。政治における男女間格差を是正するための暫定的な方策。議員・閣僚などの一定枠を両ジェンダーに割り当てる制度)の発祥地はノルウェーだが、当初はノルウェーよりもデンマークやスウェーデンなどの北欧諸国に浸透していき、欧州から男女平等の民主主義国家をめざす世界各国へと普及している。
韓国やギリシャはクオータ制を含んだ法整備が済み、イタリア、ドイツが法整備の準備中。ニュージーランド、アメリカ合衆国、日本、トルコなどでは、採用していないか野党の一部が採用しているだけとなっている。
スウェーデンにはクオータ制の法はないが、「民主主義の基本は議会に男女が同数いること」、「男女同数は民主主義のスタート地点」ということで、比例代表名簿は男女交互になっている。
「現在、スエーデン議会の51%は女性議員」と案内する現地日本人ガイドは、ここに長年住んでいるが、クオータ制そのものがあることを知らなかった。男女差を感じさせないほど優秀な女性議員たちがいるせいだろう。
【結婚制度に拘らず】
 消費税や所得税が格段に高い北欧の国々だが、手厚い保障制度のおかげで、全く心配のない生活を送っているようだ。貯金をする習慣がないのはその必要がないからだし、結婚制度に拘らないのは、宗教感もさることながら、未婚で子供がいても何ら問題がないからだ。
 面白いのは、訪れた4か国のそれぞれの人たちは自国民が一番恵まれていると感じていることだ。
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by mako0491 | 2012-06-09 13:14 | アタマ記事
視点
6.8付け
目前の大事忘れさせる読書


 期限が迫っている、試験が目前。大人になったら「試験」「受験」は無縁だと思っていましたが、ここ数年、夏に受験生になっています。

 昇任試験に挑戦しています。勉強の苦手な私は、これが苦痛。暑さにも勉強しなきゃという圧力にも負け、バテバテ。とりあえず試験を終えます。そして、一次試験結果発表の日、応援してくれる仕事の仲間や家族に、「私の夏は終わりました」という、地方予選で夢破れた、甲子園球児のような言葉を送信しています。 

 甲子園を目指している若者達は、高校生の3年間の挑戦。私は3年限定ではないだけ救われています。でもそろそろ合格しないと…吉報を待ってくれる人がいるうちに。

 私の場合、勉強しなくは!という時期にしたくなるのが読書。小学校は岐阜でもすこぶる田舎の公立校。しかし県下、東海地区で有名な国語教育に力を入れている学校。

 有名校になったのは、、丁稚奉公から東京で社長になった卒業生から毎年寄贈を受けた本が1万冊を超え、卒業生氏が冠になっている校内読書感想文コンクールが開催されていたから。 

 読書感想文、毎年書いていました。でも苦痛でした。頑張って書くのに、周りの予想とは裏腹に一度も入賞しないこと…そして本を読むことすら楽しいと思えなくなっていました。私の感じていた入賞の期待、きっと幻だったのでしょうが。

 あれから20年。今、読書が熱い!同郷の直木賞作家、池井戸潤氏の本を片っ端から読んでいます。読後の爽快感は、作品に描かれている「勧善懲悪」から来るものです。彼の作品は銀行を舞台にした作品が多く、組織で働いていると経験するあれこれも描かれています。時間を忘れて一気に読んでしまうこと、しばしば。気づいたら明け方も度々。 

 私の場合、目の前にある、「やらなきゃ」を完全に忘れさせてくれる媚薬、それが本です。二十年前、この感覚知っておきたかったな。違った人生送れた かも? あ、そろそろ受験勉強せなあかんわ…
                                              (田中 麻衣子)
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by mako0491 | 2012-06-07 18:29 | 女の視点

ミステリーの愉しみ

 
6月22日掲載

ミステリーの愉しみ



『封印再度』 
  森 博嗣著  

講談社文庫 820円 
1997年

 岐阜県恵那市の旧家、香山家には代々伝わる家宝があった。その名は、「天地の瓢(こひょう)」と「無我の匣」。

 「無我の匣」には鍵がかけられており、「天地の瓢(こひょう)」には鍵が入っている。
ただし、鍵は「瓢」の口よりも大きく、取り出すことが出来ないのだ。
50年前の香山家の当主は、鍵を「瓢」の中にいれ、息子に残して自殺したという。
果たして、「匣」を開けることが出来るのか?興味を持って香山家を訪れた西之園萌絵だが、そこにはさらに不思議な事件が待ち受けていた!

わたしには密室殺人より「天地の瓢(こひょう)」と「無我の匣」の謎がとても強烈で、ずいぶん考えました。この謎は専門的な知識が必要で、実験をされた方がいて、このことを証明されたと知り、ビックリしたのは最近のことです。 

 ネタバレになるのでこれ以上は書けません。が、一級品の本格で、N大助教授 犀川と萌絵の恋が大きく転換するのも本作の魅力の一つで、存分に味わうことが出来る。

 森 博嗣は「すべてがFになる」で第一回のメフィスト賞を受賞。このエピソードが面白いのだが書くスペースがないのが歯がゆい。知りたい方はウィキペディアでどうぞ。
これはS&Mシリーズと云われ、10作品があり「封印再度」はシリーズ5作目となる。わたし的にはこれと「笑わない数学者」が一番好きだ。

 森博嗣の作品のほとんどが密室物で、自身がN大工学部助教授なので、理系のミステリーと呼ばれる。S&Mシリーズの他に瀬在丸紅子が探偵として活躍するVシリーズが10作品ある。その他のシリーズもこのS&Mシリーズを基幹として派生してリンクをしている。全てを読むことにより森ワールドを満喫できる。瀬在丸紅子の物語は20年ほど前の物語だが、犀川と萌絵には瀬在丸紅子の存在は大きく、深く関わってくる。そのためVシリーズは重要なシリーズなのだ。
 
 女性探偵は日本では少ないと思っているが(海外は知らない)わたしの好きな女性探偵1位はフランス人形のような瀬在丸紅子。2位は可愛いお嬢様西之園萌絵。3位はクールな美人の二階堂蘭子だ。
 森博嗣は考えている長編を書き終えたら引退をすると明言した。今は新作が出ない。もうミステリーを書いてくれないのか?すこぶる残念だ!
     (阪井 俊夫)
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by mako0491 | 2012-06-07 18:20 | ミステリーの愉しみ


 3月は自殺対策強化月間ということだ。 日本の自殺者数は年間およそ3万人。和歌山県でも年間300人を超える人が自殺で亡くなっており、年間自殺率は全国内でも高い数字を示している。自殺を防止するために私たちはどうすればよいのか考えよう。また、県の依頼を受けた「りら創造芸術学園」が、自殺をテーマとした演劇を制作・発表したので、少し紹介しよう。
                                       (中村 聖代)



 【毎日90人近い人の命がーー】
 平成2年における我が国の自殺者数は、31,655人(暫定値)。毎日90人近くの命が失われていることになる。
 身近な人を自死で亡くしてしまったら、「防ぐことができなかった」「何故私たちを残して」と自責の念や疑問・怒りといった感情に襲われる。また病死と違い、大切な人の死要因がを悲しんだり、思い出を語ることができないことがある。

 和歌山県では、自殺の早期発見・早期対応を図るための重点施策として、「ゲートキーパー」の養成を進めている。「ゲートキーパー」とは、地域や職場、教育等の分野において、自殺のサインに気付き、見守りを行い、専門相談機関へつなぐ人材のことで今後を期待されている。

 【キーパーの役割】
 自殺は、特別な人が、特別な理由でするものではなく、いじめや子育て、介護疲れなど様々な要因が複雑に関係して追い込まれた末の死といえる。冷静な判断ができず、死ぬ以外に方法がないと完全に視野が狭まった状況にある。

 自殺を考える人は孤独感があり、悩みを自ら話せない場合が多い。が、「辛い・もうだめだ」というような言葉を発する。感情が不安定になる。周囲との関係を急に断つ。といったような間接的・直接的なサインを発している。家族や、職場の同僚など身近な人はそうしたサインに気づいたら、声をかけ、まずは話を聞くことが重要。

 【防ぐことは可能】
 自殺を企てた人の75%に精神的な病気(うつ病・統合失調症・アルコールや薬物依存症など)を発症していたとの報告がある。早期に発見し、病気の適切な治療や相談者(友人・家族・専門家)の支援により自殺を防ぐことが可能である。
複数の問題がある場合には、関わる人たち同士で連携を取る必要がある。

 【りらの取り組み】
 和歌山県では、自殺予防対策普及啓発事業として、去る2月5日紀美野町文化センターにおいて、第1部教育の専門家による基調講演やパネルディスカッション、第2部では「NIGELLA(ニゲラ)」―県の依頼を受けた「りら創造芸術高等学校」の生徒たちによる演劇―が催された。 

 制作にあたって準備に半年をかけた。先生と生徒は何度も話し合い、15回も脚本を書き換えた。寮生が半分近くいるので、何度も徹夜をしたという。
 【演劇を通して】
 何度も脚本を書き換えただけあって、「自殺」だけでなく、「うつ病」、「いじめ問題」、「生まれながらの難病」等々考えさせられる内容が織込まれていた。

 会場整理をしていた生徒の一人はかつらぎ町からの通学生だった。彼女は2年生の山本由貴さん、
「AEP(アート・イベント・プロデュース)と言う授業があり、そこで生徒全員が集まり役割分担を決めます。
チラシ作り、大道具・小道具、照明、音響なども皆生徒がします」。 「私は、髪の毛の色を自分たちで決められるという校風に興味を覚えて入学しました」。「将来は、音楽関係の仕事に就きたいと思っています」。
と語ってくれた。

  山上範子校長は、以前、この紙面にも登場頂いたが、「色々な経験を通じて、感動を覚えて欲しい。ひとつの目標にむかって皆が力を合わせることで生きる底力をつけられる」と舞台の最後で挨拶。
 日頃から「死」について考えることは重要である。また、うつ病は自殺したくなってしまう病気らしい。心の病についての正しい理解が今後の課題ではないだろうか。
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by mako0491 | 2012-06-01 17:45 | アタマ記事

 中学生世代の育成に重点

 各自治体の協力もカギ


 前号の最後の部分で、女子プロサッカー選手について触れた。現在、日本人で「女子プロサッカー選手」と呼ばれる選手はほんの一握りである。現在、サッカー子供や若い世代にとっても、「女子プロサッカー選手」という職業があることはとても良い刺激になる。ただ、プロとはそんなに甘くないのが現実だろう。自分のプレーを楽しみにしてくれる人たちがいること、実際にその人たちを満足させることが大前提の世界である。実に厳しい。そこで、今回は前回と同様、現在、ジェフユナイテッド市原レディースU15のコーチを務める小林美由紀さんに話を伺い、企業スポンサーによる協力やサッカー人口の拡大がどのように今後のサッカー環境の改善、さらに日本女子サッカーの将来に繋がるかについて考える。          (竹内あずさ)



 企業スポンサー
 W杯以来、多くの企業がなでしこに注目し始め、9月16日には日本女子サッカーリーグが三井住友カードとオフィシャルスポンサー契約を結んだと発表(一年半契約で年間推定金額は1000万円)。これで協賛企業はプレナスに続いて2社目となった。
 また、各地のクラブチームと企業のスポンサー契約も進んでいる。そのうち、代表でMFの宮間選手やGKの福元選手らが所属する岡山湯郷ベルは9月14日、同県鏡野町にある「山田養蜂場」とメーンスポンサー契約を結んだ。
 お金のないリーグやクラブチームにとってこのような企業の協力はただただ今は有難い。様々な構想も膨らむ。

 今後、このような地域企業が条件の良い働き口を選手達に紹介してもらえるような協力があればサッカー環境の改善に繋がるのではないだろうか、と小林さんは指摘。

 選手達の中には自分で探したアルバイトやパートで生計を立てながらサッカーを続ける者もいる。仕事とサッカーを上手く両立できる環境が少しでも改善されれば、選手達の心の余裕になるに違いない。それによって、サッカーと長く関れる選手も増えるのではないだろうか。

 目標:女子サッカー人口30万人
 日本サッカー協会は、現在4・6万人の女子サッカー人口を2015年までに30万人に拡大するなでしこビジョンを掲げているが、その数字を達成するには、まず、日本のスポーツ人口が増えなければ厳しいと小林さんは言う。 

 アメリカの女子サッカー人口は167万人と言われている。アメリカは日本に比べてスポーツ人口が多いだけでなく、シーズンスポーツを楽しむ文化がある。例えば、夏はサッカー、冬はバスケットボールといったように1年を通して2つの競技に親しむのはごく普通。

 学校のクラブ活動や地域のクラブチームのコーチとして結構良いお金が稼げる点も日本と異なる。人口拡大の為の取組として、日本サッカー協会は現在、中学生年代の女子選手の活動場を増やすことに重点をおいている。

 これまでの傾向では小学生まで男子に混ざってサッカーをしていた女子が中学校に進学するとサッカーを続けられなくなることが多く、そんな女子選手がサッカーを続けられる受け皿が必要だと見ている。 

 現在、小林さんはジェフユナイテッドレディースのU15のコーチをしているが、選手達は週に5日間の練習で7500円の月謝を払う。塾などと比べると月謝は比較的安いが、遠方から来ている選手は交通費だけでも月に2、3万はかかってしまうこともあると言う。当然親の負担は大きい。もっと多くの中学校が女子サッカー部を持てたら良いのだが中学校の部活動で11人以上の女子を集めるのはかなり困難なのが現状である。

 高校の部活動もバレー部やバスケット部に比べてサッカー部がある高校は少ない。筆者自身、地元愛媛県の高校でサッカーを始めたが、当時、県大会出場は4校。現在も5校と、さほど変化はない。和歌山県に関しては中高で女子サッカー部を持つ学校はない。そんな中、2012年度から女子サッカーがインターハイ(高校総体)の正式種目に決まったことは喜ばしいニュースである。

 また、女子サッカーの認知度を高める為の取組として、日本女子サッカーリーグは今後、普段リーグに馴染みのない地域でも試合が行えるようにする方針。

 現在なでしこリーグに加盟の9チームの本拠地は8都県。その地域以外で開催するには遠征費や会場費の問題があったが、早くも10月1日に実現へ。INAC神戸とアルビレックス新潟の試合が福井で行われることとなり、その成果が楽しみである。

 例えば、和歌山も全国で見ると、女子サッカー人口がとても少ない地域の一つ(サッカー協会の統計によると、2010年の選手登録数は220名、そのうち小学生が半数を占める。現在、登録チーム数は4チーム)。このような地域で、なでしこリーグの試合を行うことは果たして効果があるのだろうか。それに関しては、各自治体との協力が重要だと小林さんは言う。
 各都道府県にサッカー協会は存在する。せっかく行う試合をどう宣伝し、お互いがどう利益を得るのかじっくり考えなければならない。

 女子サッカーに触れたことのない人達に見てもらい、女子サッカー人気や、リーグの知名度を上げることができればそれは大きな成果である。しかし、試合を見て、サッカーを始めたいと思っても、すぐに始められる環境があるかどうかはまた別の問題である。
 さらに、W杯以来、テレビでもよく取り上げられる代表選手や彼女らの所属チームとその他の選手やチームとでは知名度の違いが大きく、効果の差も出てしまうのではないかいう懸念もある。


 今後の課題
 今後の日本女子サッカー発展には、これまでと同様、目標高く、辛抱強い努力が必要である。このブームをただのブームで終わらせない為の大きな武器は、「代表がロンドン五輪で再び金メダルを獲ること」であることは明らかであり、女子サッカー関係者の誰もが考えていることだろう。そして、大切なのは「関わること」ではないだろうか。選手、サポーター、コーチ、選手を支える親、どんな形であれ、関わっていることには変わりない。

 小林さん自身、これからも女子サッカーに関わり続けていくことには変わりないと言う。ただ、今はJリーグの下部組織で比較的エリートに近い選手達のコーチをしているが、裾野を広げるような役割、底辺での指導の重要性も感じていると語ってくれた。
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by mako0491 | 2012-06-01 17:12 | アタマ記事

 女子サッカーが日本でこれ程までに注目される日が来るとは思わなかった。女子サッカー関係者の誰もが驚いているのではないだろうか。今月上旬に中国で行われたアジア予選。苦しみながらも1位通過で来年のロンドンオリンピックの出場権を獲得した「なでしこJAPAN」。内容はともあれ「結果」は残した。燃え盛る「なでしこフィーバー」を「ただのブーム」で終わらせない為の勝負はこれからである。筆者自身、和歌山大学の女子サッカー部で奮闘していた身として、様々な全国メディアの報道とはやや違った視点から2回に分けて掘り下げてみたい。
                                                       (竹内あずさ)

 女子サッカーと関わり続けて25年。現在、ジェフユナイテッド市原レディースU15のコーチをする小林美由紀さん(注1参照)に話を伺った。1985年、筑波大学4年生の時に、仲間と共に女子サッカークラブを創設してから、これまで、日本に女子サッカーが普及する為の様々な活動を行ってきた。筆者が小林さんと出会ったのは約10年前。

 当時和歌山大学女子サッカー部の1年だった私は小林さんが94年以来毎年開催していた「大学女子サッカー海外交流&遠征ツアー」に参加した。行き先はイタリア、トリノ。私にとって初の海外だった。その翌年、翌々年は行き先をアメリカに変え同じ遠征ツアーに参加。サッカーを続けるきっかけを与えてくれた人物の一人でもある。

 アジア予選を振り返って

 アジア予選では全試合とも決して内容が良かったとは言えない。W杯の神がかり的な勝利とのギャップも大きかった。しかし、過密日程の中、全試合に得点し、負けなかったことは評価できる。完全に相手ペースだった北朝鮮戦でも負けはしなかった。

 W杯勝利の要因について、澤キャプテンがよく言葉にしていた「団結力」。年齢幅もある中で、どのように築き上げたのか。おそらく一番大きいのは、「日本の女子サッカーの為に結果を出したい」という思いが共通していたことだと小林さんは言う。
 中でも、キャプテンの澤選手、GKで最年長の山郷選手は、企業チームが廃部になった厳しい時代を経験している。そんな先輩達の背中を見て育った中堅。彼女らはみな北京オリンピックでメダルを逃し悔しい思いをしたメンバー。

 また、若い世代のほとんどが10代で世界大会を経験していたことも大きい。W杯のドイツ戦で劇的勝利を収めた後、少し興奮ぎみだったチームを戒めたのは山郷選手だったと言う。
サブの選手とレギュラー組が分け隔てなく常に選手間で話し合いができていたことも強みである。W杯で深めた団結力と自信がアジア予選に繋がったに違いない。

 海外での経験
 また、ここ数年内に海外でプレー経験を持つ選手が増えたことも代表飛躍の要因に挙げられるのではないだろうか。日本サッカー協会は2010年に海外強化指定制度を導入した。

 この制度は世界大会で金メダルを獲る為に欧州や米国など高いレベルのリーグでトレーニングや試合を経験し、個人の強化を図ることを目的に創設されたもので、協会からの支援金として移籍支度金20万円、日当1万円などが支給される。

 その強化指定選手の一人として昨年、ドイツ一部リーグのデュイスブルクに移籍した日本女子代表FWの安藤梢選手。安藤選手は小林さんと同じ筑波大学出身。安藤選手は高校の時に代表入りをし、その当時小林さんは代表チームの主務をしていた。
 安藤選手のW杯での活躍は海外での経験が生きていたと言う。体の大きい相手との一対一に強くなっていたことを一番に挙げた。W杯では得点こそなかったものの、全6試合で先発出場し、勝利に貢献した。

 女子のプロサッカー選手
 安藤選手は浦和のチームに8年間在籍。06年にはチームとプロ契約を結び日本では数少ない日本女子プロサッカー選手となった。

 08年、あるスポーツ番組で、安藤選手の特集が組まれていた。その中で生活における全てが「サッカーの為」と言っていたのがとても印象的だった。浦和に在籍中、筑波大学院に進学しスポーツの運動能力について研究していたのも「サッカーがうまくなる為」と語っていた。

 現在、代表7人が所属するINAC神戸の会長が来年はチームの選手全員とプロ契約を結ぶ方針を発表。プロサッカー選手と言うと聞こえは良いが、そんなに甘くはないのが現状かもしれない。

 プロは自分のプレーで人を呼べて、さらに喜ばせることができてようやく採算が合う。「代表クラスの選手がプロになることには頷けるが、チーム全員とプロ契約というのが必ずしも良いことだとは思えない」と小林さんは言う。私もそれには同感だ。
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by mako0491 | 2012-06-01 17:03 | アタマ記事