わかやま新報女性面 (隔週金曜日)記事を発信-NPO法人「和歌山コミュニティ情報研究所」の女性スタッフが取材・編集を担当


by mako0491

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 メンデルスゾーン=写真=の音楽は神話のようであり、おだやかな温度であり、ジャスミンの香りがする。でも無慈悲にもふっと消えていく風景でもある。

 春になり突風が吹いた日、多くの秩序が混乱した。同じ日、20年ぶりに異国からやってきた妹は日本にはない香りがした。吹く風が私たちの髪の毛を乱し、今から二人で過ごす時間の重さと軽さを予感させる。

 アメリカへ結婚するため渡った妹は、少女から琥珀色のイヤリングが似合う大人の女性になっていた。
家に着くと「歌の翼に」の歌曲のCDをかけた。歌は、「喪失」、「尼僧」、「あこがれ」と続く。温かい家族の中で育ったメンデルスゾーンの無垢な清純な世界が展開されていく。何処かで会ったような懐かしさの調べが流れる。かつて見た彼の部屋の絵はメルヘンに満ちていた。

 音楽は、「ガンジス河のほとりにーあそこには、静かな月の光を浴びて、はすの花が君を待っている、なつかしい姉妹であう君を。」(ハイネの詩抜粋)と歌っている。

 メンデルスゾーンは1809年ドイツで生まれ、裕福な銀行家で、幸せな家庭を持ち、ゲーテから愛された人でもある。彼に、私たちが普通に思い描く、不幸というスパイスを入れてみたら、作られた音楽はもっと深く、ブラームス以上だったかもしれないというのは夢想であり(?)、愛らしく、いとおしい誰にも描けない自分だけの音の世界を作ったのだ。しかし38歳でこの世を去っている。

 赤いワインを飲むほどに夜は深くなり、私たち二人は闇の中に溶けて行った。時間は消え、遥かな古代の異国にいるような土の香りがした。距離感は揺れて行き甘酸っぱいイチゴが両手いっぱいに零れ落ちた。

 飛行場につくと妹は日本語が話せなくなっていた。二人は深い沈黙の中にいた。
飛行機は離陸の時、グオーッと激しい音をだした。歌の翼にのって行った後には、青い空を風がふき抜けて行った。(山下はるみ)


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by mako0491 | 2012-05-29 11:01 | 音の魅力・魔力

 先日、新聞に都道府県別の人口増減率の一覧表が載っていた。記事では震災の影響による東北地方の人口の変化が書かれていた。が、私が気になったのは和歌山県。よく見てみると人口の減少率は高知県が間に挟むもの、東北地方についで7番目でマイナス0.72。さらに、和歌山県の人口は数年前に百万人を割れた。
そこから新たに政策が変わったのだろうか。気になったので、調べてみた。

 和歌山県では平成16年度に「次世代育成支援(前期)行動計画」を策定している。現在も、県民の友などの広報誌で「紀州3人っこ施策」として紹介されている。子どもが3人以上いる家庭への保育園の保育料無料化や一時保育(ファミリーサポートセンター等)の料金助成を行っているそうだ。

 しかし、私自身3人娘の母親であるが、この施策の恩恵を受けているという実感はない。幼稚園の保育料は無料ではないし、これがあることによって子どもを産んだという感じもない。
保育園の保育料は私立・公立にかかわらず、所得に応じて決められている。保育料金が高いのも3歳まで。3歳以降は幼稚園よりも安い場合もある。

 一人は公立幼稚園、もう一人は私立幼稚園に通った。どちらの幼稚園も有料での延長保育制度があった。子どもをたくさん産まないのが保育料金の問題だとしたら、なぜ保育園のみなのだろうか。
保育園のみの「紀州3人っこ施策」はアピールにはなるが、費用対効果の検証はいかがなものか。一時保育においても、子どもを安く預かりますからどうぞ、とはいかない気がするのは私だけなのだろうか。

 行政の政策は5~10年単位で行われているため、効果のある施策も効果の薄い施策も継続的に実施されている。良い事も悪い事もどんどん変わっていく大阪のお隣で、職員は同じように優秀なのに、と、少し置いてきぼり感を感じている。
                                                       (笠井 ひろみ)
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by mako0491 | 2012-05-29 10:36 | 女の視点

北欧4カ国現場スケッチ



  女性議員の数ほぼ同じ
  ファッション度高い
  幸福度それぞれが一番


 アパレルの「H&М」・家具の「IKEA」はスェーデン、ムーミンはフィンランド、バイキングのノルウェー、デンマークは人魚姫――その程度の知識しか持ち合わせない北欧4か国。スェーデンモデル―胎児から墓場まで―といった高福祉・高負担国家の国々を駆け足で訪れ、その垣間見た様子をスケッチしてみた。
                                                       (中村 聖代)


 【バイキングが祖先】
 自然の彫刻、氷河が岩を削ってできたフィヨルドは、スカンジナビア半島のノルウェー側にあたる北・西部に多く見られる。我々が最初に訪れたところだ。
 ノルウェー人はバイキング(海賊)の血が流れていることにかなりの誇りとこだわりがあるようだ。「バイキングは風邪なんてひかない」「バイキングはこんな痛みなんて感じない」等々、自分を励ます時に使っているらしい。
 ビッフエ形式―食べ放題の食事形態を我々日本人は「バイキング」と呼んでいるが、やはり起源はノルウェーで、たくさんの人を招く際の最も一般的なもてなし料理だという。

 【シニア女性と会話】
 ソグネフィヨルドからバスや鉄道を利用してオスロへ、そこからクルーズで1泊しつつデンマークに行った。といっても半日、コペンハーゲンに寄っただけだの話だが。 
船内で話しかけてきた2人のデンマーク人元女性教師が「村上春樹」のファンだという。「ノルウエイの森」は海外でも絶大な人気を誇り、他の多くの作品も翻訳されているが、日本のことをほとんど何も知らない人たちが「ハルキ」を知っているとは驚きだ。
 ちなみに北欧はそれぞれの国の言葉を話すが、どの国民もほぼ全員英語が話せるので、南欧に比べてずっと楽だ。

 【かもめのヘルシンキ】
 女流監督の日本映画「かもめ食堂」で一躍注目を浴びたヘルシンキ―ファッションブランド「マリメッコ」や食器メーカー「イッタラ」の国だ。残念ながら実在する食堂「カフェ スオミ」には行けなかったが、ロケ地の一部、港に面した「マーケット広場」を訪れた。かもめがたくさん飛び交い、現地の人たちがテントの内外で食事や買い物を楽しんでいた。

 【女性で熱気】
 H&М は、スウェーデンのアパレルメーカー。低価格かつファッション性の高い服で世界的に人気を集め、最近東京や大阪にも上陸し、話題になった。「ユニクロ」や「GAP」と比較されることが多いが、カジュアルな服だけでなく、ワンピースやドレス、ジャケットやスーツなどフォーマル服が充実しており、有名デザイナーによるラインナップや、マドンナ、カイリー・ミノーグなどとのコラボレーション商品も発売したことがある。
本場ストックホルムでは、そこかしこにH&Мの店舗が見られ、買い物客で溢れていた。どこの女子も買い物には目がなく、同じ熱を感じた。

 【クオータ制】
 クオータ制(割り当て。政治における男女間格差を是正するための暫定的な方策。議員・閣僚などの一定枠を両ジェンダーに割り当てる制度)の発祥地はノルウェーだが、当初はノルウェーよりもデンマークやスウェーデンに浸透していき、欧州から男女平等の民主主義国家をめざす世界各国へと普及している。
韓国やギリシャはクオータ制を含んだ法整備が済み、イタリア、ドイツが法整備の準備中。ニュージーランド、アメリカ合衆国、日本、トルコなどでは、採用していないか野党の一部が採用しているだけとなっている。
スウェーデンにはクオータ制の法律はないが、「民主主義の基本は議会に男女が同数いること」、「男女同数は民主主義のスタート地点」ということで、比例代表名簿は男女交互になっている。
「現在、スエーデン議会の51%は女性議員」と案内する現地日本人ガイドは、ここに長年住んでいるが、クオータ制そのものがあることを知らなかった。男女差を感じさせないほど優秀な女性議員たちがいるせいだろう。

 【結婚制度に拘らず】
 消費税や所得税が格段に高い北欧の国々だが、手厚い保障制度のおかげで、全く心配のない生活を送っているようだ。貯金をする習慣がないのはその必要がないからだし、結婚制度に拘らないのは、宗教感もさることながら、未婚で子供がいても何ら問題がないからだ。
 面白いのは、訪れた4か国のそれぞれの人たちは自国民が一番恵まれていると感じていることである。
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by mako0491 | 2012-05-29 10:33 | アタマ記事