oota mika
2017年 04月 25日
4月7日あたま
フラワーデザイナー太田美香さん
日本では最大級のお花の展示会として知られる「国際フラワーEXPО」。2016年10月、「アーティフィシャル&プリザーブドフラワーコンテスト」で、特別賞「モノ・インターナショナル賞」に輝いたのは、和歌山市在住の太田美香さんである。「デザインの神様が降りてくる」と言う美香さんに会い、彼女の素顔に迫った。
(中村 聖代)
会社に勤めたのをきっかけに「茶道・書道・華道」のいづれかを習得したいと思った美香さん。
「茶道は道具を揃えるのにお金がかかる」「書道はもともと字の上手な血筋だから
習う必要がない」と両親の反対にあった。
わび・さびの世界に興味を持っていたので会社の華道部に入るつもりが、先輩に連れて行かれたところがフラワーアレンジメント教室だった。
「私の習いたいのはこんなお花じゃない」と思いつつ、月に3回いやいやながら通っていたという。
ところが、3年ほどしてその教室の先生のアシスタントに抜擢されたのだ。2年半後にその教室、その先生を離れ、独立。
大阪を拠点に仕事をしていたが、フラワーデザイナーとして次第に認められ、東京でも仕事の依頼を受けた。もちろん和歌山でも仕事をする。
【プリザーブドとの出会い】
「新しいものは先ず東京に入ってきます。1年遅れて大阪、その1年後に名古屋・福岡・神戸といった具合で、和歌山にはさらに遅れて入ってくるのですね。だからいかに早く和歌山に最先端のものを周知してもらうか考えていました」。
そうしたときに入ってきたのが「プリザーブドフラワー」だった。
【デザイナーとして】
美香さんは、現在も大阪を中心に、東京、和歌山を行ったり来たりしている。生花も扱うし、アーティフィシャルフラワー(いわゆる『造花』)もつくる。
チームで結婚式場などの会場装飾も受けるし、教室も開くし、イベントも開催する。
「うちは全て受注生産なので、作り置きをしていません」。
顧客の依頼に応じた作品をそのつどつくる。アレンジメントには決して『造花』を入れない、全てプリザーブドフラワーでつくるというこだわりがある。
だが、今はやりの「おむつケーキ」だけは、『造花』を使う。プリザーブドは生花を脱色し、液を吸わせ、着色しなおし、乾燥させるー花自身が自分の力で吸い込むという過程のなかで、まれに虫がつくことがあるからだ。
【造花との差別化】
「生花を乾燥させるだけのドライフラワーに対して、プリザーブドフラワーは、特殊加工を施すことによって、生花の長期保存を可能にし、匂いもなく、手入れが簡単で、ソフトな感触です。全てが人工の材料からできている『造花』とは全く異なります」。
そういった理由で、昨今は仏花の受注も増えている。
【これからのこと】
「今付けている指輪もプリサーブドなんですよ。花弁を拡げ、硬度をつけることで、帯どめとかにも利用できます。可能性はまだまだひろがると思います」。
「もっとお花に触れる機会が増えたらいいなと思います。型にはめられる女性とは違って、大胆な発想ができる男性には、特にそうですね」――と語った。