2016.12.16絵本
2016年 12月 15日
『おかあしゃん。はぁい。』
くすのきしげのり作 岡田千晶絵
対象年齢:年齢に応じて読むことができます。
(読んでもらうには)2歳から
(自分で読むには)3歳から大人まで
もうすぐ今年も終わりですね。今年も良いことも悪いこともあったと思います。最後ぐらい温かで穏やかな気持ちで過ごしたいですね。
<あらすじ>
小さなひとりの女の子が左手に大好きな犬のぬいぐるみを抱っこして、起きてきました。 女の子は3歳ぐらい。もうひとりで歩くことができますし、おしゃべりもできます。
女の子はパジャマから服を着替え、ボタンを止めながら言います。「おかあしゃん。」母親は答えます。「はぁい。」
怖いトイレも犬のぬいぐるみと一緒ならひとりで行けます。女の子は呼びます。「おかあしゃん。」ひとりでトイレができたらトイレのカレンダーにシールを張ることができます。母親はシールを持ってきて、答えます。「はぁい。」
通園中に大きな犬に出会いました。女の子は言います。「おかあしゃん。」大丈夫。母親は答えます。「はぁい。」「おかあしゃん。」と「はぁい。」は一日中、何度も何度も繰り返されます。
園でお別れするときも、お昼寝をするときも、一緒に買物をするときも、晩御飯を食べるときも…。もちろん、一日の終りに一緒に寝るときも。
記憶が薄れた小さい頃の私たちも何度も呼んでいたのでしょう。そして返事をもらっていたのでしょう。女の子と親は本当に穏やかで幸せそうな表情です。絵は優しいタッチで見ているだけでも心が温かくなります。絵本から優しい声の「おかあしゃん。」「はぁい。」が聞こえてきそうです。
『どうか、いつの時代のどの国にも幸せに満ちた「おかあしゃん」「はぁい」がたくさんありますように』(あとがきより)
(浦田 ひろみ)