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わかやま新報女性面 (月一回金曜日)記事を発信-NPO法人「和歌山コミュニティ情報研究所」の女性スタッフが取材・編集を担当


by mako0491

卒業、入学シーズンに思う

3.20日掲載
節目の季節、強くしなやかに

 梅や桜の便りが聞こえてくるこの季節は人との出会いや別れ、人生の節目を迎える季節でもある。

 毎年、3月には4年間の大学生活を経て、新たな一歩を踏み出す卒業生を社会に送り出し、4月にはついこの間まで高校生だった新入生を迎える、まさに別れと出会いが連続する時期である。

 物事の区切り目を意味する「節目」はもともと竹の節からきていることは言うまでもないが、竹には60個ほどの節があるそうだ。

 その節は、成長して増えるのではなく筍の時から同じ数の節があり、この節に成長点があるらしい。竹はこの節と節の間隔が広がることによって背が高くなるのだが、1日に1メートル以上も伸びる生長の早い植物であるため、節は竹全体の強度を支える重要な役割を持っている。

 つまり、竹は節があることで天に向かって真っ直ぐに伸び、節があることで折れにくく、しなやかに大地に根を張り強くなるということである。
 
 私たちの人生には就職や結婚などいくつもの節目があり、1年のなかにも誕生日のような個々の節目がある。それは筍の時からある節のように、私たちの成長点として与えられているものなのかもしれない。

 4月から社会人として新たな門出に立つ彼ら・彼女らに、この先、いくつの節目があるのかわからないが、入学や卒業のように希望や達成感に満ちた節目もあれば、辛く苦しい節目もあるだろう。どのような節目であれ、人生で経験する試練の一つ一つが節になり、節の数だけ強くしなやかに成長するのである。

 自分自身もそんな節目節目を大切にして、竹のようにどこまでも成長し続けたいと願いながら、今年もまた彼らを社会に送り出したい。
                                       (石井 敦子)
by mako0491 | 2015-03-24 11:00 | 女の視点