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わかやま新報女性面 (月一回金曜日)記事を発信-NPO法人「和歌山コミュニティ情報研究所」の女性スタッフが取材・編集を担当


by mako0491

九度山と真田幸村

2月20日掲載

住民主体でまち活性化に結ぶ

町家の人形めぐり・茶屋運営など

 3月1日に九度山文化スポーツセンターで催される「真田幸村公 大坂城入城400周年記念公演 トーク&ミュージカル 将星☆真田幸村~いざ参上~」の入場整理券を手にすることができた。 平成28年のNHK大河ドラマ第55作「真田丸」(さなだまる)の制作が昨年5月に決定されたことも伴い、今後九度山に注目が集まることが必至である。今回はここにスポットを当てたい。
  (中村 聖代)

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【柿・世界遺産・幸村】
 九度山町は北に紀の川、南に高野山の玄関口として位置し、古くから高野山の表参道として老若男女参詣者を出迎えている。品質の良い富有柿が全国的にも有名である。また戦国時代の名将「真田幸村」が、父親の昌幸とともに隠棲した地として知られている。

 「人口減少や高齢化が進む中で、まちの資源を生かし、活性化に繋いでいこうと、平成20年に、九度山町をはじめとする『九度山町まちなか活性化協議会』が立ち上げられました」と、九度山町企画公室の土岐嘉伸氏は言う。「9年前から新町長に変わり『観光』をキーワードに、まちの魅力アップに努めています」。

【協議会の歩み】
 協議会ほか各団体で、以下のトライアングルを中心とする「九度山まちなかマップ」を作成。町内にある様々な観光資源の歴史等を紹介し町内を回遊して貰うことにした。その1つは「真田庵」・2つ目は「旧萱野家(大石順教尼の記念館)」・3つ目は「松山常次郎記念館」である。

 また、協議会が育成を進めている「まちなか語り部」と連携することで、まちなみや歴史にふれてもらう機会を増やす予定だ。

【住民の自発的活動】
 行政主導のみならず、 住民同士の交流が活発になること・住民が楽しめることこそが町の活性化に繋がるのではという思いから、平成21年に「九度山町住民クラブ」が立ち上がった。毎年4月1日から5月5日までの間、「町家の人形めぐり」を開催する。町内の民家や商店がそれぞれの五月人形や雛人形等を展示し、気軽に立ち寄って貰い思い出話を語るなど、住民同士や観光客が触れ合う場となる。

 九度山町では、毎年 5月4日と5日に開催される一大イベント「真田まつり」があり、ゴールデンウィークのこの時期は、2つが連携し、町全体を盛り上げている。

 マップに掲載されているまちなか休憩所「真田いこい茶屋」は、九度山の婦人たちが12~15名程度シフトを組んで運営している。ここも「九度山住民クラブ」から生まれたという。

【そば処とお茶】
 真田幸村が、自分の生まれ育った信州上田の「信州そば」をこの地に伝えたと言われており、平成22年オープンの「幸村庵」でも本場信州のそば粉を使用して、全く同じ打ち方で作られている。

 また、特産品である富有柿を新たな形でも活用できないかと、麦茶をベースに柿の葉をブレンドしたお茶を開発し、パッケージに「真田十勇士」のイラストを用いた「幸村茶」が平成23年から商店や土産物店等で販売されている。

【今後の課題】
  これまでの取り組みの成果もあって、九度山町では世界遺産だけでなく、町内の観光資 源を有効活用する環境が整いつつある。
 
 また昨年4月26日オープンした道の駅「柿の郷くどやま」でも、産直市場だけでなく、柿パン・柿ソフトクリームなどの販売、「世界遺産情報センター」での3つのゾーン展示等、新しい形の情報発信も行われつつある。

 大河ドラマ化への働き掛けは4年くらい前からあり、「六文銭にちなんで66万6666名の署名を目指したところ、82万を超す署名が集まりました」と先の土岐氏。

 大河ドラマ放送にあわせ、「真田ミュージアム」や道の駅内の「おみやげ館」の建設、臨時駐車場の整備等々の予定が見白押しだ。 

(主な見どころ)
☆「真田庵」
=善名称院、真田幸村父子の屋敷跡に建てられたお寺。真田まつりでは武者行列のゴール地点として、賑わいをみせている。

☆「旧萱野家(大石順教尼の記念館)」
=日本のヘレンケラー、障害者の母と称される。17歳の時に養父に両腕を切り落とされ、筆を口に加え多くの書画を書き残した。高野山へ出家するためにお世話になった館が萱野亭。

☆「松山常次郎記念館」
=九度山町が生んだ政治家松山常次郎に関する遺品や資料を展示。故・平山郁夫画伯の妻美知子が常次郎の長女であったことから、彼の描いた絵が展示されている。
by mako0491 | 2015-02-24 18:38 | アタマ記事