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わかやま新報女性面 (月一回金曜日)記事を発信-NPO法人「和歌山コミュニティ情報研究所」の女性スタッフが取材・編集を担当


by mako0491

シャンソン、アズナブールが心に沁みる

2.20日掲載
和歌山もシャンソン盛んになって欲しい

 年を重ねてくると、シャンソンの深い意味がよくわかってくる。

 シャンソンはフランスに生まれて130年余、日本で歌われるようになってから80年余の年月がたった。

 時々、仲間などと会を開いたときに歌うのは、アズナブールの「帰り来ぬ青春」「ラ・ボエーム」。

 「過ぎた昔よ 唇には歌が溢れ 甘い涙 ほほを濡らし 心酔わす 若さの酒 (中略)去った恋よ 去った友よ 誰もいない浜辺に立ち 別れを告げる 過ぎた日々を 想い出よ」(帰り来ぬ青春―日本では尾崎紀世彦らが歌う)

 現在も活躍するシャルル・アズナブールは作詞・作曲家、俳優。トルコから移民したアルメニア人の子としてパリに生まれる。7歳のとき子役で芝居に初出演し、12歳で映画にもデビュー。1952年にソロ歌手としてのスタートを切り、独特の声とジャズの感覚を取り入れた唱法で新境地を開いた。「今日のシャンソンの父」といわれる。
 
 シャンソンは「3分間のドラマである」と言われるように、歌詞が物語性を持っているものが多い。あるシャンソンを初めて歌って成功させることを、フランス語で「クレシオン(Creation・創唱)」と呼び、シャンソンではこの「創唱」が重んじられてきた。歌い手は自分の個性を活かし、シャンソンを「演じ」、そして「歌う」ことで、作曲者とともに歌に生命を吹き込む人と見なされているから。
 
 シャンソン・レアリスト(現実的シャンソン)という分野がある。日本の演歌に似た分野。「恋」をテーマとし、曲はドラマチックな手法で展開。主人公に娼婦、舟乗りや兵士が好んで取り上げられ、下町や港町を舞台に現実の庶民生活の最も暗い面を、リアリティーを重んじて描き出している。

 ジャズは神戸が盛ん。シャンソンも和歌山を軸にして、関西の各都市でシャンソニエに人が集まってシャンソンの良さを広めていきたいものだ。
                                          (淡 美麗)
by mako0491 | 2015-02-24 14:56 | 音の魅力・魔力