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わかやま新報女性面 (月一回金曜日)記事を発信-NPO法人「和歌山コミュニティ情報研究所」の女性スタッフが取材・編集を担当


by mako0491

高齢化と分譲マンション

 1・9掲載

 認知症サポーター養成を

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 分譲マンションの世帯数の過半数は60歳以上で、永住意識も過半数の区分所有者が持っている。全国的に見ても、その割合は年々増えてきている。「分譲マンションの居住者高齢化の課題と対応」について具体策を含めて考える。

 戸建住宅とマンションは高齢化についての問題はあまり変わないが、マンションには特有の事情があり、具体的な対策が必要。

 マンションには廊下、階段などの共用部分と居住者専有部分がある。専有部分の段差解消などのバリアフリー化はそれぞれの家で出来るが、共用部分は管理組合の仕事。管理組合として総会を開き予算をとり修繕工事の議決をしなければならない。通常準備に1年程度かかる。バリアフリー化には滑りにくい床への変更、階段の手すりの設置などがあるので計画的な対応が欠かせない。

 同居親族や近隣住民から理事会への相談で多いのが高齢の認知症の住民がマンション内を徘徊する、何度も水漏れを起こしたり、ゴミ出し日を間違えたりすることなど。

 厚生労働省は認知症について正しく理解し、認知症の人や家族を温かく見守る応援者として自分のできる範囲で活動する「認知症サポーター」を養成することを推奨している。

 サポーター養成講座は各市町村で実施している。マンションの中でも養成講座を実施して管理員、区分所有者、賃借人を含め多くの人のサポーター養成が期待される。

 高齢者の孤立死の問題は深刻。ひとり暮らしの高齢者がいるマンションでは見守り体制、緊急通報の仕組みを管理会社、自冶会などの支援を得て作る。居住者名簿と緊急連絡先の整備が望まれる。居住者名簿は高齢者支援だけでなく災害時の救出等にも大切な情報。

 自治会が地域の高齢者支援の役割をすることが多いが、マンションでは管理会社との連携において難しさがある。法律で分譲マンションは建物の維持管理、運営のために管理組合の設置が義務づけされている。その組織力を活用して管理組合理事会が中心となって高齢者が住みよいマンションづくりを考えていくことが必要といえる。
      (NPO法人南大阪マンション管理士会・木村一夫)
by mako0491 | 2015-01-06 15:41 | TOPIXS