わかやま新報女性面 (隔週金曜日)記事を発信-NPO法人「和歌山コミュニティ情報研究所」の女性スタッフが取材・編集を担当


by mako0491

絵本

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『アヒルだってば!ウサギでしょ!』

 
エイミー・クローズ・ローゼンタール / トム・リヒテンヘルド 作
今江祥智 訳 

サンマーク出版  2010年 1470円




 子どもが生まれてから絵本を読むという楽しみが一つ増えました。

 その子ども達も末っ子が16歳と親のよみ聴かせを楽しむ年頃ではすでにありませんが、10年ほど前から幼稚園や小学校でよみ聴かせをさせていただくご縁に恵まれました。

 よみ聴かせをさせて頂いていると、私が思ってもいない所で子ども達が盛り上がり、驚くことがあります。読み手の方が「ああ、そういう感じ方もあるんだ」と気づかせてもらえます。嬉しい瞬間のひとつです。

 表紙の絵。何に見えますか?
 アヒルですか?ウサギですか?それとも他のものに見えますか?
 同じ空間にいて、同じものを見ていても私が見ているものと、あなたが見ているものは違うのかもしれません。生きてきた年数や経験、様々な要素が絡み合って、みんなそれぞれの見え方があると思うのです。
 

 このお話では、
「くちばしがあるから、アヒルだ!」
「それはウサギの耳でしょ」
とお互いに自分の見え方を主張し合います。
 
 そうこうするうちに、「ウサギだったかも」「いやいやアヒルだったかも」とお互いに歩み寄ります。
 そうも見えるね、そういう見方もあったんだって気づかせて貰える瞬間です。

 
 また、このお話の面白いのは、お互いに歩み寄った所で「めでたしめでたし」とは終わらない所です。
新たな物体が出てきて「アリクイだ!」「いや、ブラキオザウルスだ!」と始まるのです。

 
 人間関係ってこういうことなのだろうなと思います。
 一つ歩み寄れたからと、相手の全部を解ったつもりになってはいけない。人は皆、幾つになっても成長していくものだと思うし、感情も持ち合わせています。

  自分の見え方だけでなく、相手の見え方からも学ばせていただこうとする姿勢が大切だと絵本が、また聴いてくれている子ども達が気づかせてくれているように思うのです。

 そんな大切な事に気づかせてくれる絵本と出逢わせてくれた子ども達に感謝しつつ、絵本のある暮らしに幸せを感じている私です。

                             (渡辺 敏子)
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by mako0491 | 2014-01-10 13:38 | 絵本この一冊