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わかやま新報女性面 (月一回金曜日)記事を発信-NPO法人「和歌山コミュニティ情報研究所」の女性スタッフが取材・編集を担当


by mako0491

貴志川線を数字で見る

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10・5
TOPXS
「あと4回多く乗って黒字に」


 最近、和歌山で話題になっている社会・経済面でのトピックスの本質や裏側を探り、新たな提案につなげていきます(随時掲載)。
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      「たまグッズ」を手にする木村副代表
 
 「紀望塾」(紀州に希望を呼ぶ研究会)に参加して、「貴志川線の未来を“つくる会”副代表木村幹生氏の話を聞いた。(代表は濱口晃夫氏)。

 三毛猫の「たま」が貴志駅の駅長に就任したのは2007年の1月。以降、たまちゃん人気で、貴志川線は一躍脚光を浴びた。

 たまグッズの販売、駅舎の改築に伴うミュージアム・カフェの併設、「いちご電車」「おもちゃ電車」の運行、年に何度も実施されるイベントなどなど“つくる会”ボランティアの手弁当の奉仕と貴志川線の社員が一丸となって頑張っている。

 国内だけでなく海外からも観光客が大勢喜志駅を訪れ、マスコミでも度々取り上げられている。
貴志川線は2005年、南海電気鉄道の完全撤退後、和歌山電気鐵道が運行を継続。廃線を免れ、和歌山県から10年間の欠損補助を受けることができた。しかし、たまちゃん人気でも赤字は続いているという。

 平成23年度決算では、輸送人員は前年並み、運輸収入は2%の減少で、経営損益は8100万円の赤字となった。

 運営補助金(上限8200万円)の範囲で抑えることが出来たが、厳しい経営が続いている。
「あと3年あまりで切れる補助金、そのあとをどうするか」「ボランティアの中心を若者に引継ぎたいが、なかなか難しい」といった課題が山積している。

 たまちゃんを見に来るだけで帰ってしまう旅行客も多いとか。加太線への相互乗り入れも物理的には可能と聞いた。せっかく和歌山まで来てくれた客を、日帰りじゃなく、和歌山にある多くの素敵なところまで足をのばしてもらう努力も不可欠だ。

 乗客数を今より30万人増、250万人にする必要がある。「あと4回多く乗って黒字にしよう」キャンペーンを展開している。我々市民の公共交通への理解・共感が欠かせない。
                                 (須藤 宥子)
by mako0491 | 2012-10-08 13:50 | TOPIXS