オトコの独り言
2012年 09月 04日
「スレていない美しさ」保って
「女の視点・論点」のコーナーに、2ヶ月に1回程度の頻度で、男から見た女性への率直な意見を綴る。
× × ×
最近、CATVの日活映画中心のチャンネルをよく見る。
そこに登場する石原裕次郎や小林旭、赤木圭一郎ら主演の昭和30年代前後の映画を見て、久しぶりに日活映画の楽しさを味わつている。
「人は誹(そし)るとも 海の香りにむせぶこの想い 今日の日もまた帰り来ぬ 夏の夢」。
当時の新進作家、石原慎太郎が主題歌を作詞したのでも知られる「狂った果実」(中平康監督)。
裕次郎主演で、歯切れのいいタッチとストーリーに、当時仏映画のヌーベルバークの旗手であるフランソワ・トリュフォー監督が強い影響を受けたともいわれる。芸術的価値も高かったのである。
日活映画にひかれるのは、主人公以上に女優の魅力が大きい。「嵐を呼ぶ男」でのアネゴ肌の北原三枝もよかったが、「狂った果実」の髪の長い不良っぽい役の方がより印象に残る。
「夜霧のブルース」のややネクラな女子大生を演じた浅丘ルリ子、芦川いずみ、松原智恵子、笹森礼子もいた。
一口で言えば「スレていない美しさ」とでもいえようか。彼女たちのナマの生活が即演技につながるようなところがあった。
さて今の世の中、「スレっからし」ばかりが目につくが、いい意味での田舎でもある和歌山女性にはまだ「スレていない」要素が辛うじて残っているのも見受けられる。
「紀州をんなの美点、帰り来ぬ夏の夢」でないことを切に願う。
(谷川 巌)
by mako0491
| 2012-09-04 16:17
| 女の視点